【ONEPIECE】海賊達と舞い狂う華

第三話 ページ5

船の中で過ごすのは､エジプトでポルナレフさんがアヌビス神という刀を見つけた時以来だ｡

あの時は､珍しく…と言うと変だけど､船は沈まなかった｡


『はあ…』


貸していただいた部屋の椅子に座ると､何だかどっと疲れが押し寄せてきた｡

それもそうだ｡死んだと思ったら､どこかも分からない場所で生き返っているんだもの｡


『あれから､どうなったんだろう…』


あの恐ろしいスタンド使い､ヴァニラ・アイスはポルナレフさんが倒してくれたけれど…｡

承君や花京院君達は､DIOを倒してホリィさんを救えたのかな？


ううん｡きっと承君達なら倒せたに決まってる｡

絶対そうだ｡私は信じてる｡


ドアをノックされ､私は半分ドアを開けた｡


「今いいかい？」

『はい､大丈夫です』


部屋におつるさんを入れ､向かい合って座る｡


「この船はこれから海軍本部に向かうけど､あんた､出身はどこの海なんだい？」

『え…どこのって』


海？どういう事？国じゃあないの？


『えっと……その､多分…東辺りだと思うんです』

「曖昧だね」

『すみません｡よく覚えていないんです』


でも､日本って東洋と言われているくらいだし､東でも大丈夫だよね？


「でも東って事は､イーストブルーの方かね」

『いーすと…ぶるー』


おつるさんの言葉を反芻した｡

そんな名前の地方なんて知らない……どうして？


『……もしかして』

「？どうかしたのかい？」

『い…いえ､何でもないです』


ありえない……でも､1番可能性の高い事を思いついてしまった｡


ここはもしかして――





私がいた世界とは､違う世界なんじゃあないのか｡





こんな事考えるなんて馬鹿げている｡


でも､あのヴァニラ・アイスのスタンドの体内は亜空間になっていると言っていた｡

それなら､誤差か何かが生じて異世界へ飛ばされるという事も､充分ありえるんじゃあ…｡

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