# 兄と妹３ ページ4
森｢ふむ…そうだねぇ。
犠牲者こそ出なかったものの、我々に対する
損失は大きいだろうねぇ…｣
首領が報告書を捲る、紙と紙のこすれる音が
嫌に耳に響く。
森｢まだ異能制御の訓練が足りないようだね
太宰君。この子の指導育成は君に一任するよ｣
兄の名前が出た時、心臓が嫌な跳ね方をした。
どくんどくんと耳にこびり付く鼓動の音。
冷や汗がつぅ、と頬を伝っていく。
太｢…はい｣
兄はそう言って椅子から立ち上がり乱暴に
私の腕を掴んだ。
太｢早く歩け｣
ぎり、と骨が鳴る程強く掴まれた腕が傷む。
きっと兄はまた私に絶望しただろう。
仕事も満足にこなせず
ましてや異能制御が出来ない妹なんて。
つかつかと腕を掴んだまま歩く兄に
必死に付いていきながら、泣きそうになる。
連れていかれたのは兄の部屋で。
扉を開けた瞬間私を中に放り投げ、
バランスを崩した私は惨めにも床に倒れ込む。
そんな様子を後ろ手で鍵を閉めながら睨む兄。
太｢ほんとに愚図だなぁ。任務すら
まともにこなせないなんて｣
『…ｯ、ごめん、なさい…ごめんなさい…』
太｢謝ればいいとでも思ってる？
謝るなんて猿でも出来る。
芥川君といいお前といい本当に使えない｣
淡々と吐き出す様に注がれる言葉が苦しい。
でも。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
村人n - 涙が止まらねぇよぉぉ！更新楽しみすぎる (2022年7月30日 7時) (
レス) @page29 id: b2f736a6cd (このIDを非表示/違反報告)
満月 - 感動しました！更新楽しみにしてます (2020年3月17日 12時) (レス) id: 2b602ef28d (このIDを非表示/違反報告)
りお〜Rio〜(プロフ) - ＃兄と妹14あたりから号泣しました。。更新してほしい← (2020年3月11日 10時) (レス) id: c220a00bb1 (このIDを非表示/違反報告)
アミ - ハッピーエンドが良いです (2020年3月8日 20時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - こ、更新を………！恵んでください！ (2019年12月6日 19時) (レス) id: 2190e9e698 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紡 | 作成日時：2019年1月21日 0時
