八話 ページ9
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side七海健人
「 七海、僕 置いて逃げろッ 」
「……そんなこと 出来る訳 無いだろ… 」
なんてことはない二級呪霊の討伐任務だったハズだった。だが蓋を開けてみると、土地神……一級案件であった。そんな呪霊に私たちが勝てるハズもなく、早々に怪我を負い足手まといになった私を庇うように灰原が呪霊の気を引いた。
そしてその瞬間、灰原が死んだと思った。実際、五条さんの飼っている不思議な生き物が二人の間に割って入り灰原をこちらに放り投げていなかったら死んでいたであろう。
灰原は死にかけだし、私も奴から灰原を連れて逃げる気力すらなくぼろぼろだ。そんな私たちを庇いながら戦っている不思議で小さな生き物−−Aさんを私はお飾りの最強だと思っていた。
Aさんに初めて会ったのは呪術高専に入学して数日経った頃、先輩達との顔合わせの時だった。五条さんの腕に抱えられて家入さんに撫でられている様子は無害な愛玩動物にしか見えず、「私たち二人と一匹で最強なんだ」なんて言った夏油さんの話を私は話半分で聞き流した。
そして今、夏油さんの言ったそれは話半分ではなかったことを身をもって理解した。
「 ッぃ ぶいっ ッぶいぁ いーぶぃっ 」
Aさんが私の数十倍はある呪霊に体当たりして吹き飛ばす。小さな体のどこにそんな力があるのかと不思議に思った。かなり無茶な方向転換からの体当たりだったのでAさんの体も宙に浮いた。
かなり大きな隙であるが、何か考えがあるのだろう。そう思い見ていると、Aさんが持って歩いていた石がAさんの体に吸い込まれるようにして消え、体が発光し始めた。
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ニノ崎(プロフ) - 初コメ失礼致します。この作品,とても好みなのですが、別垢等で,イーブイと傑ver を書いていたり致しますでしょうか?設定等が似ていたのでそうなのかなと思いコメントさせて頂きました。これからも応援しております。 (2021年1月30日 11時) (レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - ゆっ子さん» いえいえ!これからも読者として、応援してます! (2021年1月15日 23時) (レス) id: a04be26527 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっ子(プロフ) - レイさん» レイさん報告ありがとうございます。変換出来るようにするのを忘れてました。先程出来るようにしましたのでご確認ください。 (2021年1月15日 22時) (レス) id: 74b62aca23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっ子(プロフ) - クロクマ一世さん» クロクマ一世さんコメントありがとうございます。これからもクスッと笑えるような話にしていきたいです。応援ありがとうございます。 (2021年1月15日 22時) (レス) id: 74b62aca23 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - いきなり失礼します!番外編if1話と1ー2話の名前変換が出来ないです!間違いじゃなかったらすいません。 (2021年1月14日 20時) (レス) id: a04be26527 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆっ子 | 作成日時:2021年1月3日 12時