背負わせるのもの ページ47
その夜。
『ジュン。私、もう帰るけど…。』
難しい顔で書物に視線を落としていたジュン。
傍に立つAは小さな声をかけた。
JN『あ、ごめん、俺もう少しやりたいんだ。』
『そう。じゃあ先に行くね。』
JN『ん。』
『お疲れ様。』
微笑みを交わし合う。
ヨハンに小さな会釈をするAは研究室を出て行った。
再び視線を落としかけるジュンは、書物に栞を挟んで閉じると立ち上がる。
バタンと扉の音を立てながら、Aを追いかけて飛び出した。
大学の校内とは言え、薄暗い道は背をゾクッとさせる。
長い髪を耳にかけながら、等間隔で並ぶ光の下を歩くA。
JN『A！』
大きな声がすぐに追いついた。
JN『正門まで送るよ。』
『え？いいのに。』
JN『送るよ。』
さらわれるように握られた手。
軽く握られて引かれた。
JN『雨…上がって良かったなぁ。』
『そうだね。』
JN『そう言えば、頭痛大丈夫か？』
『うん。もう随分落ち着いた。何だったんだろ…風邪かな…。』
JN『古い文書ばっか読んでるから知恵熱出たんじゃないか？』
『子供じゃあるまいし。』
Aが笑えばジュンも笑った。
見えてくる正門。
靴音の一つが止まると、引いていた手が引っ張られる。
JN『どした？』
顔を向けるジュン。
Aはジュンを見上げた。
『教えて…欲しいの…。』
JN『何を？』
『朝…ドンへと何を話したの…？』
合わさっていた視線が逸れる。
JN『大した事じゃない…。』
『守る為だって言ったわ…。どういう意味…？』
繋いでいた手を話してズボンのポケットに突っ込んだ。
一歩ジュンに詰め寄る。
『話して…。』
JN『だから…大した話じゃ…。』
『私はまた…大切な人に重荷を背負わせるの…？』
JN『え……。』
小さな手がジュンの腕をしっかり掴んだ。
『ジュンが…そうであったみたいに…。』
私のせいなのに…
私の知らないところで…
苦しませて…
泣かせて…
『そんな事…させたくないの…。もう…。あなたにも…ドンへにも…。』
JN『A…。』
小さな手がそっと離れた。
『お願い……。ジュン…。』
大きな手が伸ばされる。
突然鳴り出す二人の肩をビクッとさせる携帯の音。
伸ばしかけた手をズボンのポケットに向かわせて引っ張り出した携帯。
開いたライン。
飛び込んできたものに、ジュンは顔を強張らせた。
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りん(プロフ) - ドンちゃん迷路に入りましね…ヒロインちゃんのピンチに多分間に合わないんだろうな〜おバカなお魚さん…兄さん…ヨハンからヒロインちゃんを…ジュン…繭との別れ、(´･_･`)しかし、ドンちゃんは、バカ、(-.-;)y-~~~ (2017年6月8日 1時) (
レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 神さま、シウォンさま〜(´･_･`) (2017年6月6日 23時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ヒョクちゃんの思いが、ヨハンに通用するのかな？？不安ですが…(ｰｰ;)ヒロインちゃんが、涙を流さないように、アーメン(´･_･`) (2017年6月6日 19時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - みんははさん» いつもありがとうございます^_^ 最後までよろしくお願いします^_^ (2017年6月6日 12時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - りんさん» あ、そうですよ。よく分かりましたね！やっぱり鋭いです^_^ (2017年6月6日 12時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作者ホームページ：http://ameblo.jp/yuchuming/
作成日時：2017年6月3日 16時
