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ようせいをなのる、うさぎ ページ10

「あ、え……ようせい……?」

動物が言葉を話すだけでも、兎愛の幼い心には刺激が強すぎた。
それに加えてこの兎は、自らを妖精だと名乗ったのだ。


「僕はラビック。妖精の世界から来たラビ」
呆然とする兎愛をお構いなしに、妖精は名前を言った。


「ほ、ほんとにようせいなの……?となりのねこさんも」
「そうラビ。……キャシー、寝てる場合じゃないラビ」

優奈が、隣でまだ起きていない猫のような動物に話題を振ると、
ラビックはその動物の顔を、耳でぺちぺちと叩き始めた。

ぺちぺち、ぺちぺち……
心なしか、遊んでいるようにも見える。

「……わたしにも、やらせて」

我に返った兎愛は、ぺちぺちと叩き続けるその姿を見て、
自分もやりたいと思った。


「だめラビ。さっきのは事故ラビ。こうやってぺちぺちするのは妖精だけの―――」


「……妖精でも人間でも、ぷにぷにぺちぺちしすぎは嫌ニャァァァァァ!」

突然目を覚ました猫は、強烈な雄たけびを上げる。
その場にいた全員が、一瞬凍り付くほどのものだった。



その後、人目に付くと困るので、全員近くの木陰に移動した。

「僕がラビックで」
「あたしがキャシー、ニャ」

妖精だという二匹は、改めて自分の名前を名乗る。
その様子に、兎愛も優奈も、驚きを隠せなかった。


「ようせいさん……なんで、道にたおれてたの?」
兎愛が聞くと、二匹は物凄く答えづらいというような表情をする。

「お恥ずかしながら、人間界に来てから何も食べてないラビ……」

「ニャー……」
と、腹をさすりながら言う二匹。
よく見ると、さっきよりも何だか顔色が悪そうだった。


「だいじょうぶ!?そうだ、水だけでも……」
いち早く反応した優奈は、自分の水稲を開けて、
フタカップにお茶を注ぐ。

「あ、わたしも!」
兎愛も、自分の水稲からお茶を注いだ。


兎愛はラビックに、優奈はキャシーにそれを渡す。
渡されるなり、二匹はごくごくと飲み、一瞬でカップは空っぽになった。

「はぁー……水分だけでも全然違うラビ!」
生き返ったように、ラビックたちの表情に明るさが戻った。


「よしラビック。これで、あたしたちの任務を……」

「おーおー、こんなとこにいたじゃん?」
キャシーが、何かを言いかけた。そこに、調子のいい誰かの声が割り込んでくる。

「え、だれ?」
声のした方に兎愛が振り向くと、
若干露出の高い服を着た金髪の女性が立っていた。

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設定タグ:魔法少女 , 小学生 , 市販書き(一時創作)   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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きせ(プロフ) - やっぱり物足りないですよね。正直な感想、ありがとうございます (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
きせ(プロフ) - かなみさん 三部以降で、頑張って改善して行っているつもりなので、これからも応援よろしくお願いします! (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 描写が少し物足りなくて、面白いのに勿体ないと思いました。 (2019年1月14日 10時) (レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり@元花村すみれ(プロフ) - Twitterのフォローありがとう!最近バイトが忙しいけど、暇な時間に読んでみたい! (2019年1月3日 21時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
せいろん(プロフ) - どんな展開か楽しみにして読んでます(*^^*)がんばってくださいね! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 795d0599c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きせ | 作成日時:2018年8月30日 20時

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