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にじかんめ さんすう ページ5

「あ、もどってきた!」
「おやまさん、だいじょうぶ?」

―――教室に戻ってくると、
授業開始と兎愛たちの帰りを待っていたクラスメイト達が、笑顔で出迎えてくれた。

「よしよし、みんな席について!次のお勉強は……」

文野はそれをなだめるように、皆に声をかける。
心配事がなくなったクラスは、落ち着きを取り戻すのだった。


「おやまさん。わたしたちもすわろ!」

「うん……って、あれ?」

兎愛と手をつないだまま、戻ってきた優奈。
彼女が教室に戻ってきて、初めて知ることが一つだけあった。


「せき、となりだったんだ」
「うん!きょうから、よろしくね」

隣同士になった二人。
そして、優奈がつぶやいた言葉は、兎愛には聞こえていなかった……。
「……うれしい」




兎愛は、隣に座る優奈の体調を気にしていたが、大事に至ることは起きていない。
一方優奈も、自分の体調の安定を感じ、穏やかな気持ちで授業を受けていた。

「……ここの答えがわかる人、手をあげて!」
担任の文野がそう言うと、クラス中から「はい!」と元気な返事が聞こえてくる。


「あー……」
わかる問題は、誰もが先に答えたくなる。
そんな中、兎愛は手を挙げていなかった。

三年生レベルの算数の式。一見すれば簡単に見えるが、
兎愛は算数が苦手だったのだ。


「じゃあ、暁月さんに答えてもらおうかしら」

「……えっ!?」

なんで……
兎愛は思った。

―――わたしは手をあげてなかったし、はいとも言ってない。
  なのに、なんで当てられたんだろう。


算数が苦手なこともあって、兎愛はプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。


「……だ、だいじょうぶ?あかつきさん」

「あ!……うん」
優奈に声を掛けられ、兎愛はなんとか落ち着きを取り戻す。
しかし、解らないのでは答えようがない。

兎愛は、必死に考えた。
苦手なだけで、全部解らない訳じゃない。ちゃんと考えれば、出来る筈だと。


「……よし!」

結局わからなかった。
宿題をもっとちゃんとしよう……心の中でそう思った兎愛は、
もうどうにでもなれという気持ちで、黒板に向かうのだった。

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設定タグ:魔法少女 , 小学生 , 市販書き(一時創作)   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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きせ(プロフ) - やっぱり物足りないですよね。正直な感想、ありがとうございます (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
きせ(プロフ) - かなみさん 三部以降で、頑張って改善して行っているつもりなので、これからも応援よろしくお願いします! (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 描写が少し物足りなくて、面白いのに勿体ないと思いました。 (2019年1月14日 10時) (レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり@元花村すみれ(プロフ) - Twitterのフォローありがとう!最近バイトが忙しいけど、暇な時間に読んでみたい! (2019年1月3日 21時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
せいろん(プロフ) - どんな展開か楽しみにして読んでます(*^^*)がんばってくださいね! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 795d0599c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きせ | 作成日時:2018年8月30日 20時

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