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きてん ページ40

「―――だめぇ!」

その時。教室に、新たな声が響いた。

「あなたっ、あの子供と一緒に居たっ……おい、離せぇ!」
「いや!あかつきさんも、ようせいさんも、まもるの……!」

声の主は、優奈だった。
廊下に居た彼女が、もう一方のドアから教室に入っていたのだ。

優奈は、偶然ながらも掴んだ女の手を捻っており、女は抵抗するたび押し寄せる痛みで、
その場を離れられなくなってしまった。


「あかつきさんっ!ランドセル、あけて!ようせいさんを……」

「う、うん……!」

優奈が勇気を振り絞って、女を止めてくれている。
そのチャンスを活かさないわけにはいかない。

兎愛は地面からパクトを拾い、棚へ向かう。



「痛だだだだだだッ!こいつ、早く放しなさいッ……」
「まだ、まだぁ……!」

優奈の手は緩まない。
女は、振りほどく手が捻られているので、まともな抵抗が出来ていなかった。

兎愛はその間を縫って、ランドセルのある棚にたどり着く。


「今、出してあげるから……!」

自分のランドセルの前に立つと、すぐさまそれを引き出して、ランドセルのカギを開ける。



「―――ぷはぁっ!とあ、これで変身できるラビ!」

「う、うんっ!」

ランドセルから飛び出すと、ラビックはすぐさまカードの姿に変化した。
そして、兎愛はパクトとそれを構える。

「だああ!ようやく離れたァ!」

「え……?」

後ろから、女の荒い声が聞こえて、優奈の声が聞こえなくなった。
兎愛は変身をする直前、後ろを振り返る。


「あ……!」


手首をプラプラとさせる女の足元では、優奈が倒れていた。
疲れで、手を放してしまったようだ。

「ごめん……げんかい……だけど、へんしん……できるね」

「おやまさん……」
息も絶え絶えになっていて、今の行動でも相当に疲れてしまった事を、兎愛は直感する。
だが、その行動が今、兎愛に変身のチャンスをくれている。


「あやのせんせいも、おやまさんも、たすけるよ……へんしん!」

そのチャンスを兎愛は、無駄にはしない。
掛け声とともに、兎愛はパクトにカードをスキャンした。


「なっ、うそ、ちょっ……!」

関節の回復に夢中になっていた女は、兎愛の変身を止めることが叶わず……。


『マジカルチェンジ!ラビット!』
パクトからかわいらしい音声が響き、兎愛は光に包まれていく。

にどめのへんしん→←ピンチ!



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設定タグ:魔法少女 , 小学生 , 市販書き(一時創作)   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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きせ(プロフ) - やっぱり物足りないですよね。正直な感想、ありがとうございます (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
きせ(プロフ) - かなみさん 三部以降で、頑張って改善して行っているつもりなので、これからも応援よろしくお願いします! (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 描写が少し物足りなくて、面白いのに勿体ないと思いました。 (2019年1月14日 10時) (レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり@元花村すみれ(プロフ) - Twitterのフォローありがとう!最近バイトが忙しいけど、暇な時間に読んでみたい! (2019年1月3日 21時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
せいろん(プロフ) - どんな展開か楽しみにして読んでます(*^^*)がんばってくださいね! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 795d0599c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きせ | 作成日時:2018年8月30日 20時

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