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次に目を覚ますと、白い天井が見えた。
お腹のあたりに重みを感じ、見ると傑が眠っていた。
ずっと見ていてくれたのだろうか。目の下には大きな隈があった。
「!A!起きたのか」
「硝子ちゃん」
シャっ、とカーテンが開いて硝子ちゃんが来た。彼女は私を心配そうに見ている。
しー、と口元に指を当てる。傑を起こしたら悪い。
そんな私を硝子ちゃんは馬鹿を見るような目で見つめた。
「何言ってんの。心配してたんだから起こしてやんな」
「だって、隈が」
硝子ちゃんと喋っていると傑が動いた。
「………A…?」
「…あ、起こしちゃった?ごめんね」
ゆっくりと顔を上げた傑を笑顔で見る。
「…っ、この馬鹿!!!」
パチンッ、と音がした。
頬にじんわりと鈍い痛みを感じ、叩かれた事を理解した。硝子ちゃんは少し驚いて、その後黙って部屋を出ていった。
「す、すぐる…?」
「なんであんな事をした!?呪霊を飲み込むなんて、ありえない。死んでいてもおかしくなかったのに…!」
子どもだと思われたくない、泣きたくないのに涙がじわりと溢れてくる。
「っだって、傑もやってたから」
「私と君は違うだろ!」
「違くない!あんな美味しくないもの食べるの嫌に決まってる!傑が辛そうに見えたから、私だけが楽しいとか駄目なんだもん!!もうやめてよ!」
自分でも何を喋っているのか良く分からない。きっと傑はもっと分かっていないだろう。支離滅裂としている。
「…何を…」
「あんなこと、しなくていいよ」
意味が分からない、という顔をして、私から目を逸らすように下を向いた傑の顔をぐっと持ち上げる。
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ととこ(プロフ) - 神代優花さん» 読んでくださりありがとうございます。もし良ければ何話か教えていただけないでしょうか…?お手を煩わせてすみません… (2021年5月5日 15時) (レス) id: a0d3aa46dd (このIDを非表示/違反報告)
神代優花 - 自分と言う自が違う気がするのですが。間違いだったらすみません。 (2021年5月5日 15時) (レス) id: 5b5a130973 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月24日 23時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ととこ | 作成日時:2021年4月13日 0時