リナリア

あなたside ページ25

楽屋に着く前、マスターに1本電話を入れさせてもらった。









説明したら

今日はそのまま今市さんや健二郎のそばにいてあげな

って。









優しいマスターに感謝して電話を切り楽屋に入った。









健「隆二大丈夫か？横になる？」









隆「ううん、もう大丈夫。ごめんね。」









さっきよりは少し顔色も戻ってきて、

よかったって思う。









隆「Aちゃん、さっき大丈夫だった？」








『私、ですか？』








隆「うん…レイカに突き飛ばされて……怪我してない？」








悪いのは今市さんじゃないのに、

眉間にシワを寄せて俯いて。

俺が悪い みたいな。









『あの程度じゃ余裕です。笑

それに今市さんが謝ることじゃないです。』









少し笑って見せたけど、
今市さんが私に謝るのは変わらず。









臣「用って、レイカさんだったんだ。」









登坂さんもあの人のこと知ってるんだ。









ていうかここにいる全員が驚いてる。



みんな知ってるって事は相当ひどいことがあったのかな…。









岩「あーっ！腹立つ！せっかく隆二さん進めてたのに。」









健「最近、メイクさんとかとも話せてたもんな。」









臣「で、今さら何言いにきたの？」









隆「……やり直したいって。」









やり直す、ってことは元カノ…ってこと？









岩「いやそれはありえないっすまじで。

次きたら俺が行きますよ。」









健「ありえへん！隆二は心配せんでええからな！俺らに任しとけ。」









周りの人たちが励ます中、

どこか一点を見つめて何か考えている今市さん。









相当キツいんだ……。









臣「てか、Aちゃんなんでここに？」









『あっそうだ、コレ、健ちゃんに頼まれて。』








そう言って持ってきたコーヒーを差し出すと
とても喜んでくれた。

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