向日葵のように笑って２ (ページ27)

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広臣side ページ27

頭は打ってないみたいだけどとりあえず病院に連れていこうということになった。

メンバーのみんなと、スタッフのアイリ、Aちゃんで隆二を連れて病院へ向かった。

本人は「ほんとに大丈夫なんで。」なんて言ってるけど無理やり連れていった。

結果は

＂ストレス＂と＂重度の緊張＂

『隆二ほんとに大丈夫かよ。』

「…大丈夫だよ。」

『…………喉だろ。』

俺がそう言えば隆二は驚いたような顔をする。

『気づかないわけないだろ。』

「俺らも隆二が苦しんどったのくらい気づいてたで。」

＂わりぃ＂

違うだろ。

『わりぃじゃなくて頼れよ！何で謝ってばっかなんだよお前別に悪いことしてねえだろ。』

「してるだろ！迷惑かけてばっかで声はでねえし、ストレスみんなにぶつけるし、悪いことしかしてねえだ……っいってぇな…。」

気づいたら手がでていた。

頬を殴る鈍い音が響き、みんなが一斉に俺に目を向けた。

「落ち着けって。」

もはやそんな言葉もきこえなかった。

『隆二はさ人に頼れよとかいっちょ前なこと言うけどお前はどうなの？待ってんだよ！隆二から頼ってきてくれんの。きっとAちゃんだってそうだよ。バカじゃねえのお前。何のためのグループだよ。何のための彼女だよ。何もわかってねえ。』

カッとなって一気に言葉が溢れて止まらなかった。

『…………ありがとう。』

隆二の口から出た言葉は謝罪ではなく感謝。

これでこそ隆二だろ。

そして隆二は悩んでることを俺らに話してくれた。

疲れとプレッシャーで声が出ずらいこと。

同じところを何度もやり直しさせてしまって迷惑かけていること。

その他にも色々話してくれた。

俺らは黙って隆二の話を聞いていた。

話し終わると＂あーすっきりした！＂って伸びをしてる。

隆二の悩みのことも含めた直人さんからのありがたいお言葉。

それをきいて隆二も俺らも、なぜかアイリとAちゃんまでも号泣( 笑 )

そのまま何故か円陣を組んで解散になった。

「まじでありがとう臣。」

そう言ってAちゃんと帰っていった。

面と向かって＂ありがとう＂なんて言ってくるの隆二だけなんじゃねえの。

なんだか照れくさいけど嬉しかった。

『帰ろっか、アイリ。』