向日葵のように笑って２ (ページ26)

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あなたside ページ26

プルルルルルルルル

洗濯物を畳んでいると私の携帯が鳴った。

この時間、隆二は仕事のはず。

＂登坂広臣＂

画面に表示された珍しい文字。

…嫌な予感がする。

『…もしもし？』

___________隆二が倒れた。

嘘だ。頭が真っ白になった。

「もしもし？Aちゃん？大丈夫？…今から来れないかな？」

『行きます。』

慌てて支度をして臣くんが言っていたスタジオへ急いだ。

隆二が倒れた。

なんでもっと早くに支えてあげられなかったんだろう。

タクシーを拾い、スタジオへ向かった。

スタジオへ着くと入り口の所に健二郎くんとがんちゃんがいた。

「Aちゃんこっち！急いで！」

どうやら私の案内役として入り口にいてくれたみたい。

健二郎くんとがんちゃんの後を走った。

リハをしてるスタジオの扉を開けると臣くんや他のメンバー、スタッフさんたちに囲まれている隆二がいた。

「Aちゃん連れてきたで…！」

『隆二……っ』

嘘じゃなかった。

目の前で苦しそうに虚ろな目をしてるのは隆二だった。

「隆二、Aちゃん来たぞ。」

身体を支える臣くんと代わり隆二を抱きしめた。

『隆二っ…？私だよ、Aだよ…！』

あの時の隆二が私にしてくれたみたいに、

今度は私が＂大丈夫＂ってさすって抱きしめた。

抱きしめていた身体を少し離すと

呼吸は荒くて半分開いてる目には涙が溜まっていて…。

みている私も辛くなった。

『隆二、大丈夫だから。もう何も抱え込まないで。私がいるよ。みんながいるよ。大丈夫。』

もう１度想いも願いも全て込めてギュッと抱きしめると私の背中にそっと手を添えるぬくもりを感じた。

「………A…」

『…隆二っ…！』

リハーサルは中止になり楽屋まで直己さんがおんぶして隆二を運んだ。

楽屋のソファに横になり少しすると落ち着いた様子の隆二。

「俺、リハしてて、…気づいたらAの匂いに包まれてて…、俺倒れたんすか？」

倒れた後の記憶はないみたい。

「俺が話しかけた後に倒れた。ていうよりしゃがみ込んだって感じかな…だから頭は打ってないよ。」

「ほんと…迷惑ばっかすみません…。」

隆二は眉間にシワを寄せて俯いている。