向日葵のように笑って２ (ページ11)

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広臣side ページ11

今日は都内で仕事があって遅くまでかかっちゃった。

『あれ…？Aちゃん…？』

「やめてください離してください！」

隣には俺の知らない男。隆二じゃない。

『おいてめえ離せよ。その子俺の連れだから。』

そう言うとその男はチッと舌打ちをして手を離した。

『大丈夫？』

Aちゃんは震えたままその場に座り込んだ。

＂怖かった＂って。

____隆二お前何してんの？

Aちゃんをこんなとこでこんな時間に一人にして何してるわけ隆二は。

俺が隆二に電話しようとするとAちゃんは俺の腕を掴んで首を横に振った。

この子はきっと心配かけたくないんだ隆二に。

『隆二も男なんだから頼ってほしいと思うよ？』

そう言っても唇を噛んで首を横に振るだけ。

俺はどうすることもできないままAちゃんの隣にしゃがんで＂大丈夫＂って言い聞かせた。

「Aちゃん…！！」

そう叫び走ってくる人影。

「隆二くん…」

おせえよ。

隆二がきてAちゃんを抱きしめると少し落ち着いたみたい。

話を聞くとやっぱりAちゃんと隆二で考え方が合ってないみたい。

迷惑はかけたくなくて抱え込んじゃうAちゃん。

頼って甘えて欲しい隆二。

２人とも＂好き＂っていう根本は変わらないのになあ。

『じゃあ俺帰るわ。』

時計の針はもう１時を回っている。

俺は隆二の気持ちわかるけどな。

彼氏なんだからさ、頼ってほしいよな。