向日葵のように笑って２ (ページ10)

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あなたside ページ10

アイリから＂臣くんとお付き合いさせて頂くことになりました。＂なんて堅苦しいLINEがきてからおめでとうってかれこれ２時間も電話してた。

もう仕事いくからと切ったアイリ。

仕事…私も仕事探さなきゃな。

隆二くんにばっか頼ってられない。

不意に手を伸ばしたカレンダー。

『あれ？明日なんかあったっけ…』

赤い丸でぐるぐるに囲まれた２日の文字。

『隆二くん、誕生日だ…！』

＂デート、行きたいとこ考えといて＂

なんてこと言ってたっけ隆二くん。

やばい…なんも考えてなかった…。

いや…考えてなくはなかったけど………

『水族館…なんて子供らしいこと言えないよなあ。』

部屋着だった私は私服に着替えて華やかな街へと繰り出した。

隆二くんへの贈り物を選びに。

ひさしぶりに東京らしいガヤガヤした所へ来た。

そこらじゅうがキラキラ光っていて眩しい。

『たまに、でいいかなこういうとこは。』

隆二くんへのプレゼント、これ！ってピンとくるものがなくて何件も回った。

でもね、見つけたよ隆二くん。

何件も歩き回ってたからか時間はもう終電近い。

しょうがないからこれにするかじゃなくてね、

これ！って。隆二くんにピッタリだなって思うプレゼント見つけたよ。

＂ごめんなさい用事が長引いちゃって、今から帰ります。＂

そう隆二くんにLINEを送ると私は終電を逃さないように走った。

ギリギリ間に合った出発時刻。

車両に駆け込み１人分あいていたシートに腰を下ろした。

＂駅まで迎えにいく＂

隆二くんからのメッセージ。

嬉しかったけどツアーが近い隆二くんはきっと疲れてる。

だから

＂タクシー拾うんで大丈夫です。本当に大丈夫だからもう寝てね＂

そう送って私はスマホをバッグにしまって最寄りまで少し寝た。

９月。もう外は少し肌寒い。

スマホの画面には隆二くんからのメッセージがたくさん。

＂今どこ？＂＂やっぱ迎えいくから駅にいてよ＂＂今から行くから＂

その沢山のメッセージに被さる１２時３６分の文字。

＂もう遅いんで寝てください＂

隆二くんのためにも早く帰ろ。

そう独り言のように呟くと左手を掴まれたような感覚。

『隆二く…ん…？』

振り向くとニヤリと笑う知らない男。