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私がそう笑いながら言うと、敦もつられて笑った。
敦「確かに！僕と姉さん、あまり似てないから仮に街ですれ違っていても気付かないや…。」
『髪の色なんて対照的だしね。』
ひと通り笑って落ち着くと2人ではぁ、と溜息をつく。
真逆こんなに幼い時から一緒に居た様に話して笑い合えると思わなくて、喜びで心が明るくなった。
珈琲を飲んだ敦が何かを思い出したようにカップを置いた。
そして太宰さんのほうを見ると
敦「太宰さんはこの店の常連なんですよね？姉さんと僕が姉弟ってこと知らなかったんですね。」
と言った。
『敦のこと話したことなかったし、似てないから気付かなかったんじゃ……。』
太「うん、私も全く知らなかったから吃驚したよ。…でも君達……」
そこで言葉を切ると両手でビシッと私達を指差して言った。
太「結構似ているよ。」
「『えっ！！？』」
店を出て太宰さんと敦を見る。
『今日は有難う御座いました。』
太「私たちも長居してしまって済まないね。」
『いえ、楽しかったです。』
敦「じゃあ…そろそろ行かないと。またね、姉さん。」
『じゃあね、敦。またおいで。』
背を向けて歩き出した２人を橙色の光が照らす。
眩しさに目を細めながら見えなくなるまで手を振った。
店の中へ戻り、洗い物をして店を閉めた時には外は薄暗くなっていた。
鍵を閉める為にコンクリートの地面に置いていた鞄を持ち、肩にかけた護身用の竹刀が入っている竹刀袋を持ち直すと自宅までの道を歩き出した。
私の今住んでいる家はバー等の密集地…所謂飲み屋街という所にあるアパートの一室だ。
今まで歩いていた人気の多い大通から離れ、店の明かりが道を照らすまた違った賑わいを見せる場所へ出た。
今日が週末だからだろうか、いつもより人が多い。
週末、ということは当然お酒も進む…酔っ払いさんも増えるため面倒事も増える…それに立ち会ったり巻き込まれるのは御免なのでさっさと帰ろうと足を速めたその時だった。
「やめて下さいっ！！」
「姉ちゃん俺らと遊ぼうぜー？」
「１人で寂しいんだろー？」
……はぁ。ほらね？
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作者名：小桜丸 | 作成日時：2018年4月3日 1時
