我 妻 善 逸 。 ページ2
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「もうなんなの!?俺狙わないでよぉ俺美味しくないからぁぁぁあああ!!!」
後ろから来る鬼をちらちらと見ながら全力で前へと疾走。
勿論俺は臆病なため甲高い声を出し命乞いをした。
それが鬼に通用しないことは分かってるけど…。
いやいやでもさ、なんなの??俺美味しくないって言ってんじゃん馬鹿なの??少しは人信じろよ馬鹿なのこの鬼??
「っあ、」
考え事をしていたせいか、小さい石につまづき、顔面から転んだ。
それは鬼にとって最大の隙だ、鬼によっては一瞬で喰らう。
(あっ、これ俺死んだ)
確信した。
人間、死ぬ時は意外と冷静である。
人生終わるよ終わる終わる。
だから入りたくなかったんだよ鬼殺隊ぃぃいいぃ……。
俺みたいな弱い奴が入るなんてさ??
すぐ死ぬに決まってるよ??
誰か助けてできれば可愛い女の子
俺を好きだから助けてくれるんだよ女の子は
えっ勘違い??
黙らっしゃい!!!
「かかかか、可愛い男の子だえ…!これは久しぶりに食事が楽しめそうじゃ!!」
かかかか、かかかかなんて変な笑い声を上げ、俺を見下ろす鬼。
じりじりと近づく鬼のその異色な肌が、目が、恐ろしい。
俺は目をぎゅっと瞑り、死を待つしかなかった。
『_________文の呼吸 壱の型
ゴトリ、と鈍い音が聞こえた。
恐る恐る目を開けてみると、そこには鬼の首が転がっていた。
鬼は目を丸くし、斬られたことを今自覚したような、そんな音がしている。
その鬼を憐れみの色を混じえ、見下ろす白銀の髪の彼。
鬼に対しての憎みの音がしている。
怒っている音
それと、同情の、音…??
その音の意味がわからなくて、首を傾げた。
鬼のことを忘れてしまいそうなくらい、彼に釘付けだ。
そんな俺を1度見てから、再び鬼へと視線を向けた。
『______可哀想に。
自我を忘れ、人を喰らい、そして殺される…。
同情するよ ほんの僅かな少しだけ。』
にこりと微笑み、鬼の最後を見届けた。
それに憧れるし、綺麗だと思う。
残酷な笑みも、その髪も、蒼い目も、全て。
見惚れる俺に、蒼い視線を投げた彼。そしてその口で言葉を紡いだ。
『…大丈夫だった?善逸』
「なんだよその忘れてたみたいな顔!?」
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虚(プロフ) - あああ好きです!更新楽しみにしています! (2020年1月4日 13時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福 - 最高! (2020年1月3日 8時) (レス) id: 305fd3d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2020年1月1日 19時