少女(26)の浪漫チック ページ31
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「助けていただいて、本当にありがとうございました…」
深深と頭を下げる伏黒ママ。パパは私を抱えたまま、「別に」と口を開いた。
「コイツを助けただけであって、アンタを助けようとしたわけじゃねぇよ。だから頭下げんな」
「そ、それでもありがとうございました!何でもいいので、何かお礼をさせてください!!」
「だから、アンタを助けたワケじゃねーって」
絶対にお礼をしたい伏黒ママと早く帰りたいパパの戦いが始まる。しばらくそれを見ていた私だが、本来の目的を思い出しハッとした。
『ねぇお姉さん、お礼してくれるんだよね?』
「勿論。あのままだったら、死ぬ可能性も充分にあったもの。命の恩人に何もしない訳にはいかないでしょう?」
ふわりと笑う彼女の笑みは愛らしく、見た者全てを魅了してしまいそうだった。
失礼だが、彼女は絶世の美女というわけじゃない。それなのに、どこか惹かれる魅力が彼女にはあった。
そんな事を考えながら、『じゃあさ』と胸の前で指を組んで、お願いのポーズをした。
『一日だけ、パパの彼女さんしてくれる…?』
「えっ」「は?」
二人とも開いた口が塞がらないといったような感じで私を見つめる。
ごめんねこんな無理やりなやり方で、でも貴方たちは結ばれないといけないから許しておくれ。
「…何言ってんだ」
『だってあと期間は1週間しかないんでしょ?今から探したとしても、作法とかを身につけるには間に合わなくなっちゃうもん。
なら、早く決めといた方がいいよ!』
それっぽい理由を並べて説得する。伏黒ママは未だに状況を理解できていないようだった。
「…え?いや、確かに私は何でもすると言ったけれど、」
『お願いお姉さん、人助けだと思って!ねっ、お願い』
きゅるきゅるとした瞳で見つめると、彼女はヴッと言葉を詰まらせる。しばらく視線を彷徨わせていたかと思えば、遂に折れたのかOKを出す。あとはパパだけ…!
『あのねパパ、A、お姉さんの事もっと知りたいなーって思ったの。…だめ?』
うるっと潤んだ瞳で上目遣い、そしてあざとく首を傾げる…!コレで完璧なハズ!
「…まぁ、確かにこっちも困ってたしな」
流石パパ、理解力がある!ヤッタ、と小さく呟くと伏黒ママの方を向いた。
『Aです!よろしくね、お姉さん!』
「伏黒
────その時既に、ヒモと美人の奇妙な恋は始まっていた。
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狐(プロフ) - 初コメです!失礼します!夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか!?吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです!めちゃくちゃ応援します!更新頑張ってください! (12月30日 3時) (レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…!!続編いつまでもまってます! (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めっちゃ好きです…!!パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます!! (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2021年1月13日 22時