致死量の愛に抱かれて死ね ページ28
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緑のジャンパーに、白のパーカー、そしてデニム。動きやすい服を身にまとい、つば折れキャップを被ると、抑えきれないワクワクを滲ませて笑った。
『(遂にこの日がやってきた…!)』
────そう。今日は伏黒ママ探しの日だ。
もしこの機会を逃したら、我らがヒロイン、メグミンが産まれない可能性がある。
原作に関わるとても重要な事なので、それはもう気合十分である。
あの特徴的な頭を探して、キョロキョロと周りを見渡す。パパは暇そうにくぁ、と欠伸をした。
あぁ、伏黒ママを見つけたら勿論影に隠れて見守るつもりだ。
推しと推しの会話に割って入るのはあまりしたくないんだよね。
────だがまぁ、そう簡単に見つかる訳もなく。
『…んん、やっぱり居ないなぁ…』
深いため息を着く。自分の事なのに、パパはどこ吹く風だ。おうおう娘が頑張ってるのにタダ働きさせる気か??こっちは投げ出してもいいんだぞゴラ。
まぁここで私が諦めたらメグミンの存在が危うくなるかもしれないため、探すしかないのだけれども。
『(でもこのままだと埒が明かないぞ…)』
さぁどうする私。顎に手を添え必死に思考を巡らせる。頭に思い浮かんだのは、あの日出会ったキツネの事だった。
ちなみにコレは余談だが、影から出て来たキツネは私の影を住処にしているらしい。
場所のチョイスが独特だなと思ったが、その代わり呼べばいつでも出て来てくれる。
まるで犬でも飼ったかのような気分だ。
『…ねぇ、キツネさん』
パパや周りからバレないように、コソッと影に話しかける。
私の心情を察したのか、キツネは顔の上半分だけを出した。可愛い。
『トゲトゲの頭の人…こう、特徴的な頭をした美人さんを探してくれない?』
小さくジェスチャーを付けながら説明すると、キツネは顔を縦に振る。それから影に消えてった。キツネは視覚がいいと聞く。恐らく探してくれるだろう。
さて、私も探しに行かなければ。
立ち上がり、パパの未来の嫁を探して走り出す。だがそこでパパの静止が入った。
「危ねぇから走るな。転ぶだろ」
こっち来い、と手招くパパに『はぁい』と生返事をする。まぁちょっとの間 捜索はキツネに任せておいてもいいだろう。
簡単にひょいっと持ち上げられ、浮かんだのは“もう子供じゃない”の文字。いやいや、小3はまだ子供だ。
なんとなぁく複雑な気持ちを持ちながら、パパの首に手を回した。
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狐(プロフ) - 初コメです!失礼します!夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか!?吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです!めちゃくちゃ応援します!更新頑張ってください! (12月30日 3時) (レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…!!続編いつまでもまってます! (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めっちゃ好きです…!!パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます!! (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2021年1月13日 22時