ギャップ萌えの域を超えている ページ16
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禪院家(?)から無事帰ったあと。私は父の料理音を聞きながら、考え事に耽っていた。
────逃げたくなったら来るといい、とは。いったいどういうことなのだろうか。
なに?喧嘩したら来いってこと?それともパパ黒から逃げたくなったら来い?…うん、全くわかんねぇ。
『(でも、まだパパがこっち側じゃないのは確実…)』
まだ心の何処かにしこりがある筈だ。
そういう素振りは見せるが、瞳が物語っている。普通の親の愛よりも確実に愛情が少ないと。
────うぅん。どうしたものか。
「おい、A」
腕を組み唸っていると、パパが私の名を呼ぶ。『なぁに?』といつものように笑って振り返れば、彼は皿を両手に持っていた。
「あっちにまだ置いてるから、それ持ってこい」
『うん、分かった!』
トテトテと小さい体なりにキッチンに向かえば、そこに並ぶのはオムライス。
綺麗な見た目と美味しそうな匂いに、喉がゴクリと鳴った。
だが直ぐにハッとする。早く持っていかねば。皿を持ってテーブルに運ぶ。テーブルにはサラダがちょこんと置かれていた。
『わぁっ…!美味しそうだね!』
「当たり前だろ」
自信満々に言い放つパパ。早く座れと急かされたので大人しく座る。
「手ぇ合わせろ」
『ん!』
「…いただきます」
『いただきます!』
スプーンを持ってオムライスを1口分すくう。それを口を含むと、衝撃的な味に体が震えた。
『(────マッッッズ!?)』
とんでもなく不味かった。あまりの美味しさに体が震えたのではない。あまりの不味さに体が震えた。
見た目は綺麗なのに、何故こうも味はよろしくないのか…、
『(でもパパ黒は料理上手そうなイメージだったんだけど…、)』
────あ。そっか。まだプロのヒモじゃないからか。
時間軸的にまだ彼は禪院家に身を置いているのではないか。
それならこんな料理になるのも、まぁ少々突っかかる部分はあるが、納得できないわけではない。
…いやでも、さっきパパ自信満々に答えたよな。
『…ちょっと聞きたいんだけど、調味料とか、具材とか…何入れた?』
「手当り次第に入れた」
『てあたりしだい』
そりゃ不味くなるよォ…それなのに何で見た目は私よりも綺麗なの…????
『…パパ。今度…一緒に作ろうね…』
「おー。」
そう言いながらパクパクと口に入れていくパパを見て、味覚もおかしいのだと察した。
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※作者の妄想です
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狐(プロフ) - 初コメです!失礼します!夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか!?吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです!めちゃくちゃ応援します!更新頑張ってください! (12月30日 3時) (レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…!!続編いつまでもまってます! (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めっちゃ好きです…!!パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます!! (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2021年1月13日 22時