ココアで私を温めて ページ13
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────お前、今日は学校休め。
思えば、何であの時に否定しなかったのだろうか。
来てくれた友達に悪いと、そう強く言わなかったのか。
『(そりゃこんな所に来るなんて思いもしなかったからだろうよ…)』
目の前に聳え立つ、大きな立派な門を見上げて思う。
あれから私は何故か仕立て屋に連れていかれ、若草色の着物を着せさせられた。しかもかなり上等の。
最後のお会計時にパパが小切手を渡していて怖くなった。
親バカなのかそれとも見せ物にしたいのか、どっちなんだろう。どっちでもいいけどとりあえず怖い。
隣に居るパパは、何の変哲もないものであるかのように、堂々と立っていた。
しかも高そうな深緑の着流しを身にまとい、いつものだらしなさはどこへ行ったのか凛としている風に見える。
やがてその門はギィイィ……と音を立て開いた。その先には、使用人らしき人々が頭を下げていた。
「「「お帰りなさいませ」」」
「ん」
これだけの人数に「お帰りなさいませ」と言われてもたった一言。しかも「ん」。パパ黒メンタル強すぎでは…????
パパは使用人たちの間を通っていく。
慌ててそれに着いていくも、歩幅が大きすぎるということと着慣れていないということもあるせいで中々追いつけない。
娘をもっと気遣ってよパパ!!!パパ、パ……おい待てやゴルァ!!!!(ガチギレ)
『パパ、待っ……早いよ!』
「ここではお父様な。あと口調と仕草も気遣え。
今じゃなくていいが、部屋に入ったら敬語やら何やら使え。仕草一つ一つに気をつけろ。あのジジイ共はそーいうのにやたら敏感だからな」
『え、あっ…分かっ、た』
そう返すと、パパは満足気に「よし。」と言う。それから立ち止まり手を差し出した。
手を取れということか、とその手に手を重ねれば急な浮遊感に襲われる。気づけば、パパに抱きかかえられていた。
『………????』
「…っは、間抜け面。」
パパはニヤリと笑っては、私の鼻をつまむ。
それから流れるような動作で、ポンポンと不器用な手つきで頭を撫でて「落ち着け」と力強く主張した。
「…コレ終わったらどっか食いに行くか」
『、ほんと?じゃあ、えっと、…パ…お父様の手料理を食べてみたいな!』
「外食じゃねぇのかよ…、まぁ任せとけ。めちゃくちゃウメェの作ってやる」
『…!んふ、楽しみにしてるね!』
そうはにかむと、パパは黙ってまた撫でた。
何せ鳥籠育ちの箱入り娘ですから。→←気まぐれな猫がにゃあと鳴く
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狐(プロフ) - 初コメです!失礼します!夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか!?吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです!めちゃくちゃ応援します!更新頑張ってください! (12月30日 3時) (レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…!!続編いつまでもまってます! (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めっちゃ好きです…!!パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます! (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます!! (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2021年1月13日 22時