梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる２【梵天】

６４：バレンタイン後のその後（蘭） ページ17

夕方、仕事から戻ってきて九井と仕事の話をしている灰谷兄弟の様子をうかがう怜奈。



九井との話を終えた蘭に近寄り、スーツの袖を軽く引っ張る。



『蘭ちゃん…』



蘭「ん〜？どうしたぁ？」



『…ごめんなさい』





蘭「ん？」




昨日のことで怜奈に謝らなければいけないことはあっても、謝られる覚えはないため、軽く首を傾げる蘭。



『蘭ちゃんのチョコ、



全部食べちゃってごめんっ』







蘭「へ？」



『昨日、蘭ちゃんのチョコ全部食べちゃったから怒ってるんじゃないの？』



蘭「蘭ちゃん、別に怒ってないよ」



食べた後のことは覚えてないが、食べたことまでは覚えている怜奈に、くしゃっと髪を撫でながら蘭が笑うが怜奈の顔は曇ったままで。



『だって、なんかいつもと違うから…』




蘭のほんの少しの変化に気づいていることに、蘭と、そばにいてうすうす感づいていた竜胆が目を見張る。






怒ってはない




が




蘭は昨日から気にしていることがあった。





酔った怜奈が万次郎や九井、鶴蝶、春千夜には『大好き』と言っていたのに、蘭だけには『好き』と言っていたのだ。





竜胆への『可愛い』はどうでもいいとして、なんで俺だけ『大好き』じゃないのか。



我ながら女々しいとは思いながらも、そこだけがモヤモヤと引っかかっていた。

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