. ページ8
スコップが勢いよく空を切る。ジョルノに襲いかかろうとしたのだが、それを簡単に躱されてしまった。
後退したジョルノの後ろの水路からあのカエルが現れ、ジョルノの学ランを飛び登ってくるではないか。
「なんだ、その生き物は？叩き落とせ！」
「このカエルは関係ないんだ。叩き落とせだなんて」
「俺はオメーに命令したんだ。ショバ代を払えとも言った。両方逆らうっつーんだなァ！？この涙目のルカに！両方ともNOっつーんだなァ！？」
「コイツは自分の意志を持っている生き物で、自分で考えている。やめた方がいいです。叩き落とすだなんてボクにはとてもそんな…」
どこまでも友情よりもカエルの命を優先するジョルノにルカは怒りを込めてスコップを構える。
「やめろッ！何もしなければ、無害なヤツなんだッ！」
「テメーはもうおしまいだァッ！！」
ジョルノのごとカエルをスコップで叩き潰した。
「やめろって言ったんだ。コイツはまだそれほどボクに忠実なわけではないんだ」
ジョルノとスコップの間からは、押し潰されたはずのカエルが顔を出した。
「コイツはただ、自分の身を守ってるだけでコイツにはコイツの命がある。コイツへの攻撃は、そのまま自分自身への攻撃となり、命取りになる」
ルカはスコップを握ったまま倒れた。彼の頭部は、握られたスコップと同じ形の凹みができていた。
「そして…三度目は言わせないでくださいよって頼んだはずだ。何度も言わせるってことは、無駄なんだ。無駄だから嫌いなんだ」
手に握ったカエルは康一の探しているトランクへと姿を変えた。
「無駄無駄…」
ジョルノの話など聞いていない彼に吐き捨てるかのように言い、去ろうとする。だが、そこで足が止まった。
「猫…？」
黒猫が近くの木から飛び降り、動かない彼に近づくと、前足で頭をつつく。さらに、彼の背中を乗ったり、臭いを嗅いだりと、まるで彼が死んでいるのかどうかを確かめていた。
「ほら、おいでおいで」
ジョルノはトランクを置き、両腕を広げるが、黒猫はそれを無視して去ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱるめん(プロフ) - お久しぶりです。コメントありがとうございます！これからも応援をよろしくお願いします！ (2019年1月13日 22時) (
レス) id: 5159b5f555 (このIDを非表示/違反報告)
ニックネーム(プロフ) - すごく面白くて続きが気になります！更新がんばってください！！ (2018年12月5日 16時) (レス) id: 8b8855a9c6 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - あ〜良いこと言う!! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 75f3298f74 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるめん(プロフ) - 確かに、助け合いは大切ですね。何かあれば、またお願いします。 (2018年12月2日 23時) (レス) id: 5159b5f555 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - コメ返に追い付けないww (2018年12月2日 23時) (レス) id: 75f3298f74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱるめん | 作成日時：2018年11月30日 20時
