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こんなのでごめんね、って謝る。
机の上に入ってた袋をのっけて、何も言わない圭人に、不安になってくる。
どうしよ、ダメだったかなぁ……。


「……失敗しちゃった」
「え……?」
「カフェじゃ、外だからいのちゃんにハグしたりキスしたり出来ない……」
「ば、ばか」


何てこと言うんだ!
ばかばか、って言う言葉が止まらない。
圭人は笑ってるだけだけど。
こいつ普段は豆腐メンタルなくせに、なんでこーゆーのだけさらっと男前なの……!!
圭人は唐突に質問してきた。


「仕事、どのくらいで終わるの?」
「え、あ、どうかな、順調なら3時間とか……」
「スタジオ?」
「うん……」
「じゃあ近くのカフェで終わるまで待ってる。
いのちゃん家行ってもいい?」
「え、でも……」
「お願い」


うるうるして頼まれちゃえば、やめてその顔弱いんだから、と言っちゃった。
こんなの、いいよ、って許可するしかない。


「いのちゃんに触るのはお家まで我慢するから、早く帰ってきてね」
「ほんとばかじゃねぇの!」


赤くなっちゃったどうしよう。
きっと撮影中も圭人のことで頭がいっぱいになっちゃうんだ。
ムカつく、年下のくせに!
もうやけ食いするしかない!
そこから、目の前のパンケーキをバクバク食べ尽くした。


カフェから出て、圭人と1度別れる時。


ほんとは、今日また会えるのうれしい、って素直に言った。


せっかく待っててくれるんだもんね。


そしたら圭人がキスしてきたから、殴ってやった。


周りに人がいたら大変なことになるから。


でも、それでも嬉しくて、このあとの仕事はすごく早く終わらせられる気がした。









END.

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作者名:りりた | 作成日時:2017年2月14日 4時

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