St.Valentine 2017(jump×in) (ページ13)

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麦チョコ(arin.INside) ページ13

※『チョココロネ』の伊野尾視点です。

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「ほらみてみて！」
「えー！何これ麦チョコ！？
買ってきたの？」

ぱんぱんに袋につまった麦チョコを大ちゃんの目の前にじゃーん！という効果音と共に披露した。
大ちゃんは目をまんまるにして驚いてる。

「ロケで駄菓子屋行ったら置いててさぁ、思わず買っちゃった！」
「へぇー！
なんで？好きなの？？」
「えー？んふふふ」

理由言ったらどう反応するかな？
いつも大ちゃんのこと考えてるみたいで恥ずかしいんだけど。
笑いで誤魔化して黙っていると、麦チョコを机に置いて、何だよ教えろ！って大ちゃんがくすぐってきた。

「あははははっ！」
「教えなきゃずーっとくすぐってるからな！！」
「えへへっ、わか、分かったから！！
あは、やばいっ！！」

覆い被さるようにやってきたから、抵抗なんて出来ず。
すぐ降参した。
はー、やばい、って言いながらちょっと涙目になっちゃったのを指で拭った。
大ちゃんが、なんか変な顔してるけど。
もう一度問い詰められて、恥ずかしいけど言ってみた。

「で？なんで麦チョコなの？」
「ふふ、えっとね、小さくて可愛いから！
大ちゃん思い出した！」
「このやろう！」

ぺし、とおでこを叩かれた。
大笑いしたまんまそのおでこを手で触る。
このやろうって(笑)
あ、ちっちゃいってのが引っ掛かった？
ごめんね、だって大ちゃんしか浮かばなかったんだもん。

「小さいって言うのやめろよー」
「ほんとのことじゃん」
「そうだけど！
一応彼氏的な立場の俺のが背ぇ低いって、ちょっと気にしてるの！」
「そうなの？」
「そうなの！」
「ふーん」

そんなの気にしてないのに。
背ぇちっちゃくたって、彼氏っぽくキメた時の大ちゃんはすごく男前で、おれはいつもきゅんとしちゃってるのに。
ねぇ、せっかく買ってきた麦チョコなんだよ。