本能・５.５ ページ23
抱きしめたいのちゃんは、すごく細くて、華奢で。
僕より身長は高いのに、僕より非力な、か弱いいのちゃん。
泣き止むことはなくて、むしろより泣いてしまってる。
そのまま眠ってしまった時には思わず、子供かって感想が漏れたくらいだった。
いのちゃんが眠ってしばらくして、電話がかかってきた。
相手は涼介だ。
内容なんて聞かなくても分かる。
「もしもし？」
《あ、知念……あの、いのちゃ》
「いのちゃんなら今僕の隣で寝てるよ」
《ッ、おい！》
言い方に不満があったのか、涼介の声が大きくなる。
嫉妬するくらいなら泣かせるんじゃないよ、ほんとに。
てゆーかね。
「怒る権利、涼介にあるわけ？
僕、言ったよねいのちゃん泣かせないでって。
いのちゃん、家に来た時ボロボロだったよ。
涼介のせいで」
《ッ、……それは、悪いと思ってる……》
「……はあ……。
それは、いのちゃんに言うべきことでしょ」
《………………》
「ねぇ、涼介。
気付いてるんでしょ、いのちゃんが涼介をどう想ってるのか。
僕はてっきり涼介も同じ気持ちだと思ってたんだけど。
いのちゃんの話を聞いてあげなかった理由は何なわけ？」
涼介が躊躇う理由、それが何なのか。
本当のことを聞き出していけば、まあなんとも自分勝手な理由だった。
そんなの、いのちゃんを傷つける前に、話すべきことでしょ。
「あのさぁ、もう、涼介、本当にバカじゃないの！？」
《ばッ、バカって何だよ！！
伊野尾ちゃんが望むわけないに決まってんじゃん！！
だったら最初から通じ合わなければ……》
「いのちゃんの気持ち、考えなよ！！
勝手に想像するんじゃなくて、話すの、ちゃんと、聞くんだよ！！
これは涼介だけの問題じゃない。
涼介のこと、吸血鬼であることもちゃんと分かった上で、想ってくれてるいのちゃんと、２人で決めるべきことなんだから！」
少しの、無言。
そして、観念したかのような声。
《…………でも、もう遅いよ》
「遅くない。明日は」
《え……オフ……》
「いのちゃんに連絡させるから明日は空けとくこと。
いい！？」
《ッ、わか、った……》
あーもう、ホントバカなんだから！！！
「……ちねん？」
「あ、いのちゃん、目ぇ覚めた？」
いのちゃんが起きた。
涼介と話すことは全部話したから。
電話をとっとと切る。
今度はこっちを、慰めないとね。
まったくもう、早くくっついて。
それで、幸せな姿僕に見せてよ。
.
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りりた(プロフ) - ひぃψ(｀∇´)ψさん» ありがとうございます！完結状態でしたのでまだお読み頂ける方がいらっしゃってすごくうれしかったです！コメントも頂けて、また本能シリーズ、機会があれば書きたいなと原動力になりました(笑)本当にありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (
レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます〜！自前猫耳だった音楽番組の日を混ぜてみましたが、汲み取って頂けて嬉しいです(笑)誘い受けは書くのが難しいなと勉強になりました…。また、本能シリーズ書けたらなと思いますwありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃψ(｀∇´)ψ(プロフ) - 本能シリーズ本当大好きです！更新通知見て嬉しくてコメしました。いやーいい！ありがとうございました(o^^o) (2017年11月1日 7時) (レス) id: 510a5838d9 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - お久しぶりですー！またこの二人に会えるとは！しかもあんなせくしーな吸血鬼とか！山田うらやま！想像だけで震える(危)いのちゃんが君のものだなんて！…あの自前猫耳の破壊力凄かったですよね(￣▽￣;)ビバハロゥイン♪ (2017年11月1日 6時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さんお久しぶりです〜！コメントありがとうございます！そーだそーだ、楽しんじゃえー(￣∇￣)えへへへ、コメントほんと嬉しいのでどんどん絡んでください(笑)ほんとにありがとうございましたー(*^ω^*) (2017年7月10日 23時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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