＊ ページ22
「気持ちい？」
「んー……ねぇちねんー……」
「はいはい」
「聞いてもいーい？」
「なぁにー？」
「……やまだ、何を隠してるの？」
知念の動きが止まる。
やまだのこと、知ってるのは知念だけなんだもん。
やまだが話してくれないなら、知念に聞くしかないんだから。
「それは……僕からは話せないよ……」
「でも、やまだは話をしないって……」
「そうだけど、でもこれは僕から話しちゃいけないから。
涼介からちゃんと聞かないと。
いのちゃんも後悔するよ」
なんで……じゃあ、なんで知念は知ってるの……？
おれに関することなんだっていうのはよく分かったけど、知念が知ってておれが知らないのはおかしいよ。
再びおれの頭を拭き始めた知念が、優しげに言葉を続ける。
「さっきの電話、涼介からだったんだけど。
いのちゃんのことすごく心配してたんだ」
「なんで……だって、聞いてくれなかったのはやまだなのに……」
なんで電話なんかしてくんだよ。
おれの気持ちが迷惑なら、思わせぶりなこと止めてよ……。
諦められなくなっちゃう。
「涼介と、もう１度話をしてみて。
そしたら、分かるよ。
涼介がいのちゃんに話さないことが何なのか」
はい、できた！
って、バスタオルを取ってくれて。
ベッド使っていいからね、って譲ってくれて。
湯冷めしないうちに寝るんだよ、って優しい言葉。
もう、おれ知念のこと好きになりたい。
でも、ダメなの。
頭の中にはやまだだけ。
いつから、なんでこんなに。
やまだが好き。
大好き。
おれの中にこんなに激しい感情があるなんて。
「……あしたって、やまだオフかなぁ……」
「オフだってさっき電話で言ってたよ」
「そっか……」
おれは、午後だけ。
終わったらやまだの家に行こう。
話したいから、仕事終わったら行くねとメールだけした。
やまだから、分かったと返事がきて。
おれの気持ち、聞いてくれないならそれでもいい。
でも、やまだが、隠してることだけは聞きたい。
「……話、できそう？」
「ん……知念、ありがと」
背中を押してくれた知念にお礼を言って、もう遅いから寝よう、と貸してくれたベッドに入れば、やっぱり疲れてたんだろう。
すぐに瞼が重くなる。
「いのちゃん」
「……んー……？」
「……うまく、いくといいね」
知念の言葉を聞きながらも。
おれはもう、眠気に逆らえず。
そのまま、眠りについてしまった。
END.
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りりた(プロフ) - ひぃψ(｀∇´)ψさん» ありがとうございます！完結状態でしたのでまだお読み頂ける方がいらっしゃってすごくうれしかったです！コメントも頂けて、また本能シリーズ、機会があれば書きたいなと原動力になりました(笑)本当にありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (
レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます〜！自前猫耳だった音楽番組の日を混ぜてみましたが、汲み取って頂けて嬉しいです(笑)誘い受けは書くのが難しいなと勉強になりました…。また、本能シリーズ書けたらなと思いますwありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃψ(｀∇´)ψ(プロフ) - 本能シリーズ本当大好きです！更新通知見て嬉しくてコメしました。いやーいい！ありがとうございました(o^^o) (2017年11月1日 7時) (レス) id: 510a5838d9 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - お久しぶりですー！またこの二人に会えるとは！しかもあんなせくしーな吸血鬼とか！山田うらやま！想像だけで震える(危)いのちゃんが君のものだなんて！…あの自前猫耳の破壊力凄かったですよね(￣▽￣;)ビバハロゥイン♪ (2017年11月1日 6時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さんお久しぶりです〜！コメントありがとうございます！そーだそーだ、楽しんじゃえー(￣∇￣)えへへへ、コメントほんと嬉しいのでどんどん絡んでください(笑)ほんとにありがとうございましたー(*^ω^*) (2017年7月10日 23時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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