＊ ページ26
「ほら、取れたよ」
「あーめっちゃ恥ずかしい！」
「いやぁ久々腹抱えて笑った！
伊野尾ちゃんマジ可愛すぎるだろ！」
「かっ……えっ！？」
「え？」
取ったお米を自分の口に運んでそう言えば、伊野尾ちゃんの動きが止まった。
かあああっ、と伊野尾ちゃんの頬が急に赤くなっていく。
え？俺なんかした？
「ばっ、ばかじゃねぇのっ……！」
「は？え、なん……あっ」
そこでふと自分の言動を思い返した途端、俺の頬も急激に熱くなった。
うわ、俺ナチュラルに何言って、つか！
ほっぺたについたコメ食うとか！
恋人かよ！
「…………」
「…………」
「……しょ、生姜焼きうまっ」
「だ、だね」
伊野尾ちゃんの取り繕うような言葉に慌てて同意する。
うわ、気まずい。
どうしよう、何か、何か話題を……っ！
「そっ、そうだ伊野尾ちゃん、来週のことなんだけどさ」
「ら、来週？」
「そう、あの、俺泊まりの仕事入ってて、その間ご飯作れないんだけど……」
咄嗟に、仕事中ずっと気にかかっていたことを切り出した。
とりあえずの話題としては最適かもしれない。
伊野尾ちゃんも、戸惑いつつ答えてくれた。
「そ、そっかぁ、どんくらい行くの？」
「３泊４日」
「あ〜……なるほどそっか」
「そうそう、一緒に何か作り置きしとくのもありかなって思ってさ。
カレーとか日持ちするし、どう？」
「んー……」
他にも何かリクエストがあれば、と尋ねてみる。
伊野尾ちゃんは、すぐには答えなかった。
何か考え込んでいる様子で、暫しの沈黙が続く。
「あの……伊野尾ちゃん？」
「……んー……うん。
あの、作り置きとかはいいかな。
いい機会だから自分で作ってみる」
「えっ……」
今度は、俺の方が沈黙してしまった。
てっきり、一緒に作ろうと言ってくれると思っていたから。
「だ、大丈夫なの？」
「うん。
おれ、やまだと一緒にご飯作って、結構覚えてきたと思うんだ」
「いや、そうかもしんないけど……でも、あ、ほら、その……調味料とかまだ全然曖昧だったりするじゃん？」
「んー、まぁ、そうだけど……」
何故か焦っている自分がいた。
なんで？いい傾向じゃないか、伊野尾ちゃんが自発的に料理をしようって思えたんだ。
忙しさを理由に健康補助食品ばかりで食い繋いでいた伊野尾ちゃんが、ちゃんとご飯を食べようとしてる。
なのに、何で俺は伊野尾ちゃんが１人でご飯を作ろうと決めたことにこんなにも焦ってるんだ？
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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