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「説明っていうか……あの日一緒にいたのは伊野尾ちゃんなんです。
私の家に泊まる約束をしていて、タクシーから家に入る間に、話の流れというかノリでこう、一瞬手を繋いだんですよ。
その写真を撮られちゃったんだよね?」
「ふぁ?あ、うん、そうです。
なんかすごいでっかい記事になってて、びっくりしました。
あの写真の相手私なんです。
お騒がせして本当に申し訳ありませんでした」


ぺこり、と2人が頭を下げる。
そこにフラッシュが焚かれて、質問が始まった。
僕は呆然とするだけで手を挙げることも出来ない。
まさかの事態だった。
僕のプライドはズタズタだ。
スマホが鳴っている。
編集長からだと思う。
大目玉を食らうことが分かって、出るのが恐ろしい。
まだ会見は続いているが、僕は静かに、会見場を後にした。






ーーー






ざまぁみろ。
俺と伊野尾ちゃんが喧嘩になったのはそもそもあの雑誌のせいなんだから。
マネージャーに質問当てるように頼んでて良かったわ。


「質問よろしいでしょうか!?」
「山田さん、先程のただの仕事仲間でも友人でもないというのは、お相手がメンバーの伊野尾さんだからということでしょうか!?」
「お相手が伊野尾さんなのは確かなんですね!?」


項垂れる雑誌記者を視界から外して、ちらりと伊野尾ちゃんを見る。
意外にもガチガチに緊張しているみたいだ。
まあ、そうだよね。
交際は事実なんだもんな。


「そうですね、メンバーってある種特別な存在ですし。
今回のことは全く女性は絡んでないんですよ。
あの日は伊野尾と朝まで一緒だったので」
「ちょ……!」
「ん?なぁに?伊野尾ちゃん」
「紛らわしいから!」


マイク通さずに小声でそんな風に言ったら、余計に怪しまれちゃうけどね。
まあ、世間的にそんなことあり得ないと思われてるわけだし。


「女性と間違われるような格好をしていたことに関しては……」
「いや、僕、全然そんなつもり無くて……。
だから、写真で初めてそう見えるって気付いたんです。
最初は私も山田が女性と撮られたのかと思ったくらいで……」
「顔も可愛いしね」
「夜だったからでしょ!」


伊野尾ちゃんのツッコミに笑いが起こった。
厳粛な記者会見がとんだ茶番だもんね。
お茶の間の皆さんも驚いてるんだろうなぁ。


「あの……ちなみに、お付き合いとかされてるわけではないですよね……?」


女性記者の質問に2人で顔を見合わせた。

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りりた(プロフ) - まみさん» こんにちは、りりたです。小説が完成しましたので移行先にてお読みいただけますと幸いです。宜しくお願い致します。 (2017年4月4日 17時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - ありがとうございます。嬉しいです。 (2017年4月4日 9時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» かしこまりました。こちらのページが現在いっぱいになってしまいましたので、移行後に書かせて頂きたいと思います。少々お待ち下さい。 (2017年4月4日 0時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - できれば家に帰ってから嫉妬するという感じがいいです。でもどんなやまいのも好きなので何でも大丈夫です。 (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» たくさんいらっしゃる素晴らしい占ツクの作者様の中から、お選び頂いて、こうしてリクエストして頂けることは光栄なことだと思います。リクエストの、事件をやまいので、というのは芸人さんを山ちゃんに置き換えてということですか? (2017年4月3日 13時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作成日時:2016年12月2日 4時

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