＊ ページ21
「伊野尾くんは、やっぱ笑ってた方がいいよ」
「えっ……？」
光や山田の掛け合いにみんな参加してる中で、高木が呟くように俺に言った。
思わず反応すれば、俺を見て珍しく真剣な顔をした。
「収録中も、笑ってはいたけど体調悪そうなの隠すの必死って分かった。
心から笑ってる方が伊野尾くんらしい」
「……うん……高木、ごめんね。
倒れる前、俺……」
「分かってる。
俺がキライとかじゃないって。
人間さ、しんどくて弱ってる時に本当の気持ちが分かるんじゃないかな」
「……それ、って……」
高木が俺の頭をぽんぽんとした。
そんで俺に笑いかけた。
ほぁあ、イケメンだぁ。
「ちゃーん！」
「ほぁ？大ちゃん？」
「ほれ！」
呼ばれてそちらを向けば、お盆に土鍋？
大ちゃん、どしたの？
「お粥です！
作ったのはヒカと山田ですが、食べさせるのはじゃんけんで勝ちました私有岡が担当します！」
「もー、僕もいのちゃんに食べさせてあげたかったのに！」
「そうなんだ？
良かったぁ大ちゃんが作ったんじゃなくて！」
「ちょっと伊野ちゃんどーゆーことよ！」
また笑いが起きた。
大ちゃんも笑ってる。
土鍋から少しお皿によそって、レンゲで掬ってふーふーしてくれた。
あ、これめっちゃ恥ずかしい。
あと8人に見られてるのも恥ずかしい。
「あの、やっぱ自分で……」
「だめ！はい！口あけてー！」
うう……。
覚悟を決めて、目を閉じて口を開ける。
ゆっくり、お粥が入ってきた。
ちょっと熱い、でも美味しい。
……美味しいよ……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 690人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりた(プロフ) - まみさん» こんにちは、りりたです。小説が完成しましたので移行先にてお読みいただけますと幸いです。宜しくお願い致します。 (2017年4月4日 17時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - ありがとうございます。嬉しいです。 (2017年4月4日 9時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» かしこまりました。こちらのページが現在いっぱいになってしまいましたので、移行後に書かせて頂きたいと思います。少々お待ち下さい。 (2017年4月4日 0時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - できれば家に帰ってから嫉妬するという感じがいいです。でもどんなやまいのも好きなので何でも大丈夫です。 (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» たくさんいらっしゃる素晴らしい占ツクの作者様の中から、お選び頂いて、こうしてリクエストして頂けることは光栄なことだと思います。リクエストの、事件をやまいので、というのは芸人さんを山ちゃんに置き換えてということですか？ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りりた
| 作成日時：2016年12月2日 4時
