柳緑の記憶 ページ12
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寡黙で強い圧を感じられるお客様が来られた
前髪でよく顔が見えないが、雰囲気は冷たいとは感じない
むしろ、不思議と慣れ親しみやすそうだと思う
私はお客様を奥へご案内した
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
お前が記憶預かってくれるんか？
…そっか……
俺の記憶も預かれるか？
俺は物心ついた時から常に死にそうな境遇だった
食べ物はない、
住む所もない、
服はいっつもボロを着てた
ほんまにその日暮らし
気付いたら親すらも居らんようになった俺は生きる術も分からんかった
善悪の判断も朧げな子供がやっとの事で見つけた生き方は“人殺し”
この手で殺した大人から食べ物とか…服とか奪うんや……
それが確実やったから……
そうやって生き抜いて成長した俺は、いつしかその行為を仕事にするようになった
仕事にする為には技量も経験もいる
それを身につければ、仕事をしているうちにに自然と語彙も知識もついていった
依頼を果たせば金が貰える
金があれば食べ物も服も手に入る
どれだけ自分の手が汚れてもこの仕事を辞める事はない
そう思っていた
仕事になれ、人を殺める事に無関心になった時、
とある依頼で俺の人生は変わった
一国の総統を殺す
俺は初めて任務に失敗した
捕まって、拘束されて、武器も全部取り上げられた
捕まった時、対峙した相手に全く歯が立たなかった
そんな奴に会ったのは初めてだった
自分より強い奴はいる
その初めて身に染みた事実に困惑していたら、びっくりする事に標的から「仲間にならんか？」って
即答は出来んかったけど、今ではそいつの仲間として、一国の幹部をやってる
責任も、しがらみも余計な感情も増えた
でも俺は、好きな居場所を見つけた
そんな居場所が今は壊れかけている
俺が強くなかったから…
本当はっ……
アイツじゃなくて俺があの場所にいるはずだった
アイツじゃなくて俺が爆発を受けるはずだった
なのに……俺じゃなくて……アイツが……
一生に一度の願い……もしそれが叶うなら……
アイツの目を覚ますように願う……
それくらい大切な仲間が死にかけてる……
俺の所為で……そう考える度に自分を殺しそうになる
それを止めようとした奴に怪我させてしもた…
仲間を傷つけてしまった……
辛い……嫌や……これ以上はどうなるか分からん…
アイツとの記憶……大切な記憶……
預かってくれ……
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琥珠(プロフ) - もちもちさん» もちもち様、コメントありがとうございます！タイトルは結構悩んだので、そう言っていただけてとても嬉しいです！本編も読み込んでもらえたようで何よりです！！( ´∀｀) (2020年8月5日 12時) (
レス) id: c1b610a55d (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - なんか気になるタイトルだったので試しに読んでいったら途中で泣いてしまいました…この小説にあえてよかったな…って思ってます (2020年8月2日 20時) (レス) id: a0528e05ef (このIDを非表示/違反報告)
琥珠(プロフ) - 藍さん» 雄黄はchiさんです！(^^)b様付けは、私の小説を読んでくださった方への敬意としてつけさせて頂いています！ (2020年7月17日 1時) (レス) id: c1b610a55d (このIDを非表示/違反報告)
藍 - 様がついてるそんなんじゃないのに僕 (2020年7月17日 1時) (レス) id: 8c6028ae84 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - え雄黄誰 ずっと雄黄がshoかとおもっとった (2020年7月17日 1時) (レス) id: 8c6028ae84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珠 | 作成日時：2020年5月15日 1時
