あつあつのフォンダン・ショコラをあなたと 1

27　裏の高級マンション ページ27

ゆう「さ、帰ろっか？」


A「はい！」




スチロール製の箱を何段も積み上げた、重そうな台車を押しながら、


Sunny cafe裏の、

目の前の大きなマンションへと入っていくゆうさんとお姉ちゃん。



その後ろを、

大きなスーツケースを転がしながら、必死で後ろをついていく。




A「待ってよ、ちょっと歩くの速いってばー！」


ゆう「あははは。」





やば！

なにこの高そうなとこ？





ヨナ「A、実はね。

実はまだ、一番肝心な事を話せてない。」


A「えっ？なになに？」


ゆう「それを受け入れるかどうかは、Aさん自身が判断して。」




豪華な広いエントランスを、

慣れた手つきでロック解除をして通り抜け、


警戒しながら、

2基あるうちの向かって右側のエレベーターへ乗り込む私達。




ヨナ「いい？

今から起きることは夢じゃない、現実だってこと。」


A「は？それ、どーゆー意味？」


ヨナ「どーゆー意味って、えっと、それは…。」





チーーン




え？

まさかの最上階？





ゆう「じゃ簡単に説明するね。

エレベーターから一番近いここが私達が住んでるとこ。

その奥の奥が、あなたが２号店で見たお爺ちゃん、つまり、オーナーさんの家。」


A「このマンション、相当ヤバくないですか？」


ゆう「でしょ(笑)。」


A「人気カフェともなると、こんな豪華な所に住める位、ジャンジャン儲かっちゃってるってやつですか？」


ゆう「まさか(笑)、そんなワケない。

確かに、周辺のお店よりたくさん人は入ってるよ。

だけど、まだ全然(笑)。

しかも、無理して２号店も出しちゃったし。」


A「じゃ、なぜ？」


ゆう「あぁそれはね、それは。

んーと、んーと。

ハイ、ヨナにバトンタッチ(笑)！」


ヨナ「えぇぇーっ！

ちょ、ちょっと、肝心なとこで私に振らないでよ！」


ゆう「あははは。」


ヨナ「そうね、どう言えばいいかな？

てか、ここで立ち話する話じゃないよね？」


ゆう「ね(笑)。」


ヨナ「じゃ、A。

取り敢えず中に入ろう、説明はその後で。」

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