第四十五の花「藤と心当たり」 ページ46
そうカナエと私が意見を言い合うと、皆それぞれ自分の意見を言っていく。
けど、こういう時にはいつも率先して意見を言ってくれる杏寿郎が今日は何も言わない。何か考え事をしてるみたい。
それも意見を聞いて考えている、というよりは何か心当たりがある、みたいな。
『……杏寿郎、心当たりがあるの?』
煉獄「!……やはり、Aには適わないな。
そうだ、心当たりがある。か弱い娘に秘密を知られてしまうほどの警備の甘さ、そしてその娘を弱い者に任せる考えの甘さ。
昔、炎天が総力を挙げて戦った相手だろう」
あの炎天が総力を挙げて戦うほどの実力があったという事?でも、そう考えるヒントになっているものがおかしい。
『どうして、警備と考えの甘さでそう思ったの?総力を挙げて戦うほどだったのよね?』
煉獄「裏社会全体が混沌に陥っている今、何処もそんな事になる訳にはいかないだろう。
だか、彼処は狂っている。実力があるからこそ、なのかもしれないが。何処かに情報が漏れる事を恐れない。
まぁそれは、ボスと幹部の者達のみだがな」
だから追い掛けてた2人はあんなに焦って。組合の中でも強さが偏ってるって事なのかな。
狂ってる、か。きっと少し前までの私と同じ状況ね。1つ違うのは仲間がいるという事。ただの駒としか思っていないかもしれないけど。
『まずは、あの子に何を見たのか話してもらう所からよね。取り敢えず私だけで行ってくる。他の路線でその組合の情報収集をお願い』
「「「了解」」」
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作者名:ろあ | 作成日時:2020年3月10日 6時