第十の花「藤と決意」 ページ11
善逸side
Aちゃん達が俺が入った組合に侵入してきた。正直凄く驚いた。あんな優しそうな、悪い事なんて何も知らないような女の子が本当にこの世界の人間だなんて。
俺の言葉や態度だけで状況を整理し、把握して助けに来てくれたんだから。
『で、君はどうしたいの?我妻善逸君』
善逸「!!」
どう、したいか。そう、Aちゃんはカメラ越しに聞いてきた。ここはカメラの位置が分かりにくいようになっているのに。
そりゃ勿論Aちゃんの所に……藤の花に行きたいよ。
でもね、無理なんだ。俺を助けてくれたじいちゃんが捕まってるんだ。俺が抵抗なんてしたら危険な目に遭っちゃうんだ。
だから、ごめんねAちゃん。
『そんなの、私が全部助けるに決まってるでしょ…!貴方には辛い思いなんて、後悔なんてさせない!もう誰も傷つけさせない!!』
善逸「!!この音は……」
怒り、憎悪、焦り……そして、決意。
何で、何で怒っているはずなのに
そんなに優しい音をしているの?
『私の仲間が貴方の大切な人を助けたから。だから、早くおいでよ。
私、諦めないって言ったでしょ?』
善逸「っ!……」
音だけじゃない。彼女もとても優しい顔をした。
そんなの、狡いじゃん。俺の決意なんて意味無いじゃんか。全部乗り越えて来るんだから
ダッ
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作者名:ろあ | 作成日時:2020年3月10日 6時