-*- ページ26
神威「植物状態…」
聞いた事があった。
意識はあるけど身体は動かせない、声もでない。
そんな状態のことを植物状態というんだと。
もしかして、Aは…
神威「…」
でもその状態を知ったところで俺には何も出来ない…
医者と阿伏兎をすぐもう一度呼び入れて、植物状態だと伝えると2人とも驚いていた。
医者「…だが」
神威「そう…」
医者が何も言わなくとも、
もう表情で何も出来ない事がわかった。
だから、ずっと横で話しかけ続けた。
くだらない話、いっぱいした。
俺達にはそんなことしか出来なかった。
でも、赤く点滅し始める心電図。
世界はそんな簡単に、願いを聞きいれてはくれない。
神威「っ…」
阿伏兎「……A!俺ァ、Aのこと本当に大好きだぜ。だからこれで終わりなんて絶対言うなよ。絶対また三人で桜見に行こうな」
神威「阿伏兎…
…A、愛してるよ。これからもずっと一生傍に居る絶対に。おじいちゃんとおばあちゃんになるまで一緒に居るって、あの時誓ったよね」
阿伏兎「誓ったって、もうお前さん達夫婦だったのかよ?あ!確かにその指輪、くぅ…団長もいっちょまえの男になって…」
神威「阿伏兎うるさい。自分より若いのに抜かされたからってムキになっちゃだめだよ」
阿伏兎「いやムキになってねェが、言い方なんかムカつくな」
神威「ほらそんなにキレてたら血圧高くなるよ。もう立派な三十路なんだから」
阿伏兎「うるせェ!」
神威「!…A」
俺達のそんなやり取りを聞いてか、涙は流れたまま、
でも確かにAは少し微笑んだ。
湿っぽい雰囲気は俺達には似合わない。そう言われた気がした。
神威「愛してる。ずっと…、ずっと」
もう一度 言葉にしてAの手を握る。
口付けてそっと離れると、Aの頬にどちらのものか分からない涙がつたって落ちていった。
暫くして心電図音は、長く続く、一定音へと変わっていった。
485人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さな(プロフ) - かるびさん» 感想ありがとうございます(><)涙袋が…笑笑 泣くといい感じに大きくなりますよね^_−☆ありがとうございます!! (8月4日 12時) (レス) id: fedb5fac7b (このIDを非表示/違反報告)
かるび(プロフ) - 泣きました。号泣です。おかげさまで涙袋が大きくなりました、ありがとうございます!! (8月4日 0時) (レス) id: 691f282a41 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - わかさん» わああありがとうございます!( ; ; )バッドエンドでも悲しいだけじゃなくて温かいお話で書けていたのがホッとしました(*^^*)嬉しいです( ; ; ) (2021年7月12日 18時) (レス) id: a286bee94d (このIDを非表示/違反報告)
わか - やばいよ、本当に泣いた。ティッシュがびしゃびしゃだもん笑。バッドエンドなのに凄く心がホカホカしました! (2021年7月10日 22時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 猫ファイアーさん» わけあって違うアカウントで返信させてもらいます(><。)ありがとうございます!番外編のほうももうすぐで終わりますがこれからも頑張ります!!! (2016年8月4日 15時) (レス) id: 80013a6d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さな x他2人 | 作成日時:2016年4月17日 15時