余命１年と告げられた戦闘狂の彼女【神威】

時間の問題 ページ16

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阿伏ちゃんがフォローしてくれて、

なんとか団員達は
自分の仕事に再び手をつけ始めてくれた。





「ごめんなさい…」





胸の痛みもすぐ治まって、

阿伏ちゃんに向き合った。





阿伏兎「Aあのな、

昨夜Aが病室出て行った後
医者と話してたんだ」





周りに聞こえないよう、

私だけに聞こえる声の大きさで話し始める阿伏兎。





阿伏兎「その……１年、と言われていたがな、

実際は…」





と、そこから言いづらいのか、

黙り込んでしまう阿伏ちゃん。





「大丈夫だよ。話して」





頑張って真っ直ぐ目を見て言うと、

阿伏ちゃんは頷いた。





阿伏兎「あと１年と言われていたが、
正確に言うとAは

いつ倒れて、
いつ死んでもおかしくない状況にある」





「え、なんで？

だってお医者さんは１年って言って…」






阿伏兎「長くて1年。

最短は…今でもおかしくない状態なんだ
Aの体は」





「何、…それ…」





阿伏兎「だから病気のこと、

早く団長に話すべきだと思うぞ。俺は」





「でも…、怖い」





阿伏兎「…団長に、あの人に、ずっと最期まで

この事を隠し通せれると思ってるのか？」





「っ…え、何、もしかしてもうバレてるの？」





阿伏兎「いや…それは分からねェが、

いつかは絶対気付くだろう
あの人に隠し事は出来ねェ。

…まぁ、バレるのも時間の問題だな」





「…」





阿伏兎「これ以上は、俺は何も言わない。

自分で決めろ」





「…わかった。ありがとう」








そう言うと、阿伏ちゃんは微笑み、

私の頭を優しくなでて、自分の席に戻った。


　
　
　
　
　
　
　
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