前途多難〜月永レオ〜 ページ19
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病院関係の手続きなんていつぶりだろう。
面会退室届けが受理され、おれ、月永レオは待合席に目を向ける。
ぐるっと確認すると、よく知っているやつが、大きく手を振っている。
おれも手を振り返して、そいつの元へ赴いた。
｢ごめんねレオ君、手続きさせちゃって｣
｢大丈夫！おれも何回かしたことあったし｣
｢……こういうことは意外と常識的で助かるわー｣
｢わはは☆意外とってなんだ？面白いな！｣
いつものように軽口を叩くと、怪訝そうになるA。
相変わらず、表情がコロコロかわって面白いやつだ。
まぁ……その割には、いつまでも目元は赤いままだが。
そのこと指摘すれば、もう大丈夫だと笑う。
でもおれには、大丈夫そうにみえない……むしろ不思議だった。
Aは、あんずから聞いたセナの話が、すごく嬉しかったと言っていた。
嬉しいなら、なんで泣いたりしたんだ？
そんなに目を赤くするほど、なんでなきじゃくってるんだ？
……そんなに、嬉しかったのか？
なんて思いながらも、言葉に出せない自分がいる。
聞いてしまえば楽なんだろうけど、どうしても聞けない。
聞いてしまえば、そこで何かを失う気がするから。
まだ掴めてさえいない……ことば、感情、リズム。
それが、失ってしまうような気がしてならないんだ。
｢わぁ〜……、もう暗くなるの早いね｣
Aはそう言うと、大きく空を仰ぐ。
その後で一番星を探し当て、消え入りそうに笑った。
｢ねぇ、なんで一番星はあるのに、その先がないか知ってる？｣
おれは一度Aをみて、徐に頭を振る。
するとAは、目を伏せてから思い切り空を見る。
｢……見つけてもらえないからだよ｣
そう言ってまた、悲しそうに笑った。
そしてまた、ぱっと表情を変える。
まだ言ってなかったね、そう呟く。
｢好きだよ、泉さんのこと｣
恋愛感情、持ってるよ。そういった。
｢……秘密だよ｣
今度は誇らしげにそう言って、行こう、と歩き出す。
その背中から目線を外し、もう一度空を見た。
『一番星の先がないのは、見つけてもらえないから』
Aはそう言ったけど、おれは違うと思う。
｢一番星の先がないのは、一番星が綺麗すぎるからだ｣
｢……レオ君？｣
｢……ううん！なんでもない！なんか霊感湧いてきた！｣
｢どーしたの急に〜｣
一番星が見えないのは、見つけてもらえないからじゃない。
『その人の目に先に映った一番星が、綺麗すぎるから』だ。
だから二番星達は、思ったはずだ。
『どうか自分を、見つけないでくれ』と。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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