くれぐれも内密に(５) ページ12
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泉さんに電話をかけ間違えた。
その事に動揺して、泉さんの声もろくに聞かず話し出す。
｢すいません！いま凛月さんに貰った書類見てて、学院に入ろうか否か悩んでいるうちに、このままでは思いつめてしまうと思ったので、小夜美さんに電話しようと思ってスマホを操作してたら間違えたんです！｣
『……早すぎて何言ってるかさっぱりなんだけど
要するに……かけ間違い？』
｢……ご、ごめんなさい｣
『あっそ……』
私の長い言い訳を要訳され、それを肯定すると
ため息をついて、何かを呟く。
しかし、電話内の騒音で聞き取れず、もう一度聞き返してみた。
泉さんは、独り言、と濁して話題を変える。
『……俺も、その事が気になってた』
『今、マンションの下にいる』
マンションの……下？
私は、窓を開けてベランダに出る。
まだ暑い時期とはいえ、外は暗くなっていた。
中庭に目をやると、ライトに照らされた泉さんがこっちを見ている。
｢い、泉さん……！？｣
『乗り出したら危ないでしょぉ、さっさとおりてきなよ』
耳元で聞こえる泉さんの声に、また顔に熱が走る。
待っててくださいって言えば、うん、と短く返ってきて。
……それだけ、たったそれだけ。
こんなに小さいことなのに、こんなにも嬉しい。
それはきっと、相手が泉さんだから。
｢……あっ、泉さんっ！｣
暗がりだから、場所が分かるように大きく手を振る。
……ううん。自然と身体が動いてるんだ。
きみに、君だけに、見つけてほしくて。
｢泉さんっ、急にどうしたんですか？｣
｢……くまくんから聞いたから、何となく気になっただけ｣
そう言ってまた、首元を抑える。
照れ隠しの時しますよね。
なんて言ったら怒られそうだし
これからもしなくなっちゃうから
私だけの秘密にしておこう。
｢ふふっ、ありがとうございます｣
｢……で、どうするか決めたの？｣
口にすると、自然と目をそらしてしまう。
立ちながらもあれなので、誤魔化すようにして
中庭にあった、小さなベンチへと促した。
｢グダグダなやんでないでさっさと決めればいいのに｣
｢うぅ、それは……その通り、なんですけど｣
｢なんかあるの？今の学校の友達とか？｣
｢それは大丈夫です、私友達少ないので｣
きっぱり言い放つ私に、なんとも言えない顔の泉さん。
やめてください、私の方が悲しくなる。
……とも言えず、とりあえずしゅんと肩を落とした。
｢……俺の気持ちは、変わってないよ｣
そんな私に、泉さんは言う。
｢俺はまだ、あんたと通いたいって、思うよ｣
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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