興味津津 ページ3
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「うーん……薫くんと付き合ったらどうなると思う?」
「えっ」
「えっ」
「えっ、なに?」
あ、急に話戻したから追いついてない?
よくあるんだよね、話しについてけないって困られるの。
「あのね、さっき薫くんが有能物件とか言ったから考えてるんだけど」
「うん知ってる」
「知ってるんかーい」
「スッ〇ーなの?」
ス〇チーとは、某舞台系漫才のお笑い芸人である。
……みんな知ってますように。
なんて頭で展開させてるうちに泉くんが話を戻す。
「そうじゃなくて、選択肢に入れたことに驚いてるんだけど?」
「え、むしろ入れないんですか?」
「え、入れてくれるんですか?!」
そりゃあ入れますよ、もちろんですとも。
だって薫くんと付き合えたら素晴らしいじゃない。
薫くんは恋愛のエキスパートだろうからね。
きっと濃厚な恋愛体験をさせてくれる。
そう、それは……牛乳がタップリ使われた……あの……牧場で育った……牛……から……。
「……ごめん、やっぱりいいや」
「えっ?!なんで?!」
「牛薫くん想像しちゃって生理的に……」
「なんてものを想像しちゃったんだこの子?!」
**********************
「うーん……そう簡単にはいかないねぇ」
空のお弁当箱を持ちながら、腕を組んで一人悩む。
ちなみに泉くんと薫くんとは別クラスなので別れました。
あ、クラス……そうか、クラスメイト。いいかもしれない。
クラスメイトに声掛けて見たら一人くらいは釣れるかも!(言い方)
うん!ちょっと試してみよう!
折角だし言ってみたかったあのセリフを──!
「皆さん!私、只今彼氏募集中です!」
ドアを大きく開いて、バーンッと登場。
私の声がこだまするほど、クラスは静まり返ってる。
「……A、保健室行くか?」
結果・大将にものすごく心配されました。
**********************
「A、彼氏欲しいのか?」
「彼氏っていうか、恋がしたいんだよね」
出来れば現実離れしてるようなのがいいなぁ。
「例えばどういうのだ?」
「ふふふふ、それはですなぁ……」
「ははっ、今日はやけにテンション高いな、楽しそうで何よりだ」
そんな優しそうな笑顔で見る紅郎くん。
はぅ……紅郎くんの暖かい瞳……!
もし紅郎くんと付き合えたら……毎日が和みそうだなぁ。
空手の試合の応援行くとか……裁縫習うとか……。
衣装作るとか……手芸店行くとか……。
「彼氏って言うよりお母さんだね……?」
「……それは喜んでいいやつか?」
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