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バイクを停めた半間くんがゆっくり歩きながら私の隣へ立った。



「悪くねーなァ」


「…ありがと、半間くん」


「あン?…どしたのいきなり」


「高校に入ってから勉強勉強って親がうるさくてストレス溜まってたんだ。

今日も本当は帰ったらすぐ勉強しなさいって言われてたんだけどね」


「めんどくせーな、お前の親」


「でしょ?…だから、今日半間くんがナンパしてくれて良かった」




タダでこんな所来れるのだもの。
たった1時間前にたまたま会って
たまたまナンパしてくれた彼には本当に感謝だ。





「そりゃどーも。」






そうして段々太陽が落ちていく夕焼けを見ていると、半間くんがそうだ、と携帯を取りだした。





「番号教えてくんね」


「もちろん、良いよ」






半間くん、と名前を連絡先に登録していると画面がいきなり変わると同時に着信音が流れた。


画面には母と表示されている。





「…ごめん、出るね」


「おー」







「…もしも」


「アンタ!何してるの!」


「と、図書館で勉強してるよ」


「図書館になんて居ないじゃない!
なかなか帰ってこないから見に来たのよ!」


「…っ、ご、ごめんなさい」




母の怒鳴り声はきっと半間くんにも聞こえているだろうが、半間くんは変わらぬ表情で私を見つめている。







「今、どこにいるの?」


「えっ?いや、その…」


「ハッキリ言いなさい、すぐに向かうから」






海、と言おうとした瞬間だ。
いきなり携帯が耳を離れた。





「だりい」





そう言って半間くんが私の携帯を取ったのだった。
半間くんは勝手に電話を切ると自分のポケットにしまった。





「ちょっと、半間くん!」



「今は俺と居るんだから俺の事だけ考えてればいいだろ」



「でも、もう帰んなきゃお母さんに…」



「お母さんに、なにされんの?」



「怒られるし、こんなところ来てるってバレたらきっと外に出して貰えなくなる…だから早く帰んなきゃ」







海に背を向けて浜辺から上がろうとすると半間くんに腕を掴まれた。


「Aちゃん」



「どうし……、っ?」




そのまま腕を引かれ、後頭部を支えられながら顔を引き寄せられた。



もう少し動けば唇がふれあいそうなくらい半間くんが近いので何も出来ず固まっていた。



「俺と一緒に逃げる?…どっか、遠い所。」


「…えっ…?」

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Kanrai(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年11月4日 22時) (レス) @page10 id: 719db3de2f (このIDを非表示/違反報告)
ムムム(プロフ) - 夜月さん» コメントありがとうございます!がんばります、! (2021年9月20日 21時) (レス) id: 2288d32f62 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 最推しの半間の小説だぁ~!!面白いですね!更新待ってます!! (2021年9月20日 21時) (レス) id: 95564a9c7a (このIDを非表示/違反報告)
ムムム(プロフ) - しゅが〜さん» わわ、ご指摘ありがとうございます、、!すぐに訂正します! (2021年9月20日 9時) (レス) id: 2288d32f62 (このIDを非表示/違反報告)
しゅが〜 - 場地さんの名前、場知になってますよ! 今まで見てきた半間の夢小説とは違う感じで面白かったです! (2021年9月20日 9時) (レス) id: 8796ade977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ムムム | 作成日時:2021年9月20日 3時

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