第208話 ページ42
「………ごめん、なさい」
「ええねん、それによう考えたらあの時の模試、あんたは三位でうちは七位。あんたがおらんくても関係あらへんねん。うちはどのみち五番外でその次の模試では十一位に落ちてるし。なんならあんたっちゅー言い訳あった方がまだ精神的に救われたとこあるしな。あんたが謝ることなんかないねん」
数日経って冷静になったと彼女は言う。
されど私を前にして真っ赤になった頭では歯止めが効かなかったと、おじを自分も利用し、私を爆弾部屋に閉じ込めたこと。
今は客観的に見て過去の自分が恐ろしいと彼女は言う。そして、きちんと償うと笑った。
「チェックメイト」
「っ!!」
弾かれた駒が勢いづいてテーブルの端に転がる。
「チェス。ゲームは禁止されてたけど、これは頭使うからって唯一遊べたゲームやねん。うち、得意なのであんたに勝てた。もう劣等感はない。ごめんな?巻き込んで」
店の入り口から数人の重圧な足音が聞こえる。
「無理に呼び出してごめんな?焦ってたから言い方キツなってしもた。堪忍な?」
ほんわりと笑った彼女に唇が震えた。
「まっ「西条千晶、君を犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪、並びに激発物破裂未遂で逮捕する。署まで来てもらうで」………」
西条千晶はボードを手早く片付けて、静かに笑って立ち上がる。
「自分から行こう思ってたんです。わざわざご足労おおきに」
「通報してくれたんはあんさんか?」
「は…い………」
「平ちゃんから話は聞いてるさかい、畏まらんでええで、一応話は聞かしてもらいたいねんけど…」
「大丈夫です」
私も席を立って、店を出る。
パトカーに乗り込む彼女はわずかこちらを振り返って小さく笑った。
私の奥底にある正義が、今回ばかりは間違えたなと私をひどく罵った。
【情炎の
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黒木(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます、一気読み!?嬉しいです、今後とも本作をよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - りーさん» ありがとうございます、嬉しいです。更新致しました、読んでいただけたら幸いです、 (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - リオさん» こちらこそコメントありがとうございます!正解です!!キャラが関わるほどではなかったのでクロスオーバーのタグ等はないのですが、誰か気がつかないかな〜なんて思って書いたんです。ありがとうございます! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - もってり子さん» ありがとうございます。嬉しいです、更新致しました、楽しんでいただけたら幸いです! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 液体さん» コメントありがとうございます!更新致しました、読んでいただけたら幸いです (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年8月23日 17時