第206話 ページ40
「Aーー!!早く早く!」
「はーい、今行く」
和葉ちゃんを先頭にどんどん進んでいってしまう園子の後ろを、置いていかれないように肩をすくめて蘭と笑い合いながら小走りに追いかける。
あぁ女子高校生とはなんと眩しきかな
(いや、この子たちが眩しいんだ、きっとそうに違いない)
和葉ちゃん一押しのたこ焼きを突っつきながら幸せな光景を眺める。
(あの事件がなければ私は一週間この幸せな光景を見れたというのか、橋本慎二許すまじ)
いつの間にか気難しい顔をしていたのか、和葉ちゃんが私の眉間を押してクスクスと笑っている。
「ここのたこ焼き美味しすぎて表情筋固まってまうよな、うちもよぉ不細工になってるゆうて、平次に抓られんねん」
「そうなんだ…美味しい…」
(あ〜なんか青春してる〜、わかる、わかるよ服部くん。美味しそうに食べてる和葉ちゃん可愛いもんね、ついつい触りたくもなるよね、でも抓ってはいかんぜよ)
「それじゃあ次は…
テレテレテテテテテンテレテテン
「…はいもしもし」
園子が勢いよく立ち上がるのと同時に私のスマホが鳴る。
「どちら様でしょうか」
非通知だったのでそんな風に聞くと、蘭たちは違和感を持ったのか少しざわめく。
『もしもし、私。西条千晶って言ったらわかるでしょ?あんたと話したいことがあんねや』
「……」
私は努めて明るい顔を作って頷く。蘭たちがその私の表情を見て、少し肩の力を抜くのを確認して私は彼女たちと目を合わせて了承を得て少し離れる。
「行って私になんのメリットがあるっていうの?」
『無いよ。だから善意で来て』
「お断りだね。貴方はもうじき殺人の共犯者として捕まる。分かってるんでしょ?なんだって今更私に連絡を?会ったことないでしょ?」
「…せやけどずっと見てたで。もちろんあんた自身やなくて、私の名前の上に印刷されたあんたの名前をってことやけど」
「……模試?」
『っ、それ以外に何があるっていうの』
「いやぁ、ただ私と君が実は幼馴染で、それを一向に気がつかない私に君が怒っているのかも〜なんて思ったりもしたから一応確認しただけだよ
『馬鹿にせんといて!?だいたいどこに気づかんだけで爆弾仕掛ける幼馴染がおんねん!?』
「爆弾を仕掛けたこと、認めたね?」
『!!』
「いいよ、会おう。ただし場所は私が指定する」
『話が終わったらすぐに捕まえる気やな』
「あったり前でしょ」
西条千晶の苦笑が向側でした気がした。
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黒木(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます、一気読み!?嬉しいです、今後とも本作をよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - りーさん» ありがとうございます、嬉しいです。更新致しました、読んでいただけたら幸いです、 (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - リオさん» こちらこそコメントありがとうございます!正解です!!キャラが関わるほどではなかったのでクロスオーバーのタグ等はないのですが、誰か気がつかないかな〜なんて思って書いたんです。ありがとうございます! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - もってり子さん» ありがとうございます。嬉しいです、更新致しました、楽しんでいただけたら幸いです! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 液体さん» コメントありがとうございます!更新致しました、読んでいただけたら幸いです (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年8月23日 17時