第191話 ページ14
??side
「もしもし、千晶ちゃん?」
「なんや?」
「さっき毛利探偵のところの子たちが最初の依頼の心配やらで俺のところに来たから一応報告必要かなって」
「!ほんま?誰が来た?」
「君の言う来栖Aちゃんと、西の高校生探偵の服部平次とガキ。最初に毛利小五郎に言う予定だった事言って、千晶ちゃんが貸してくれた千晶の幼少期の写真見せといた」
「……もしかするとあの子らやとすぐに嘘やって気ぃつくかもしれへん、なんか他のこと聞かれても依頼内容以外のことは話したらあかんで?」
「わかってるよ。戸籍を見ない限り高校生じゃ君の存在にも気づけないだろうしね」
「まぁね、あの子は東京に帰るまでありもしない行方不明の子のことを探して回るんや!滑稽!!」
「あの子って服部平次は大阪の子だろ?」
「違うわ来栖A!」
「あぁ、あの綺麗な子か。知り合いじゃないんだろ?そもそもなんで千晶ちゃんそんなに敵視してるの?」
「そんなことは知らんでもかめへんから」
「そう?まあどうでもいいやって、ちょっとごめんちょうどその来栖Aって子戻って来たから切るね」
「えっ!?……わかった。絶対余計なこと言うたらあかんで!?」
ツーツーツー
通話の途切れた画面を少女は憎々しげに見つめる。
「………まさかもう気づいてる?それはないか、でもこんな変化球は予想してなかった。ナイトがいきなり動くなんて………せやったらビショップを……」
少女はブツブツ呟きながら目の前に広がるチェス盤を一人でいじって駒を動かす。
「………いや、すると服部平次気づくかもしれへんほんならポーンを進めてクイーンに変える?…………あかん向こうに斜めで取られてまう…………………いや、もうええか」
少女は突然空を仰いでフフフと奇妙な笑い声をあげる。
「あの子が東京に帰る日にと思って取って置いてたんやけどもうええわ、使ってまお」
少女は別のテーブルの上に置かれたパソコンを開いて文字を打ち込む。エンターキーを勢いよく押して立ち上がるとまたチェス盤の置かれたテーブルの前に戻り、どこからか用意していたペットボトルを開けて黒い駒のナイトとクイーンへと丁寧に伝うように液体を注いだ。
「許さない来栖A。私の十七年間を否定した女。私が一番を取るはずだったのよ」
シュボッとかすかな音が部屋を揺らす。
少女はマッチの火をチェスの駒へと近づけて燃やし。その赤い火をうっとりとした目で見つめ続けた。
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黒木(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます、一気読み!?嬉しいです、今後とも本作をよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - りーさん» ありがとうございます、嬉しいです。更新致しました、読んでいただけたら幸いです、 (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - リオさん» こちらこそコメントありがとうございます!正解です!!キャラが関わるほどではなかったのでクロスオーバーのタグ等はないのですが、誰か気がつかないかな〜なんて思って書いたんです。ありがとうございます! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - もってり子さん» ありがとうございます。嬉しいです、更新致しました、楽しんでいただけたら幸いです! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 液体さん» コメントありがとうございます!更新致しました、読んでいただけたら幸いです (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年8月23日 17時