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真っ暗な部屋の中で肩を並べて映画を観たこと。
私を少しも否定したりなんかしなかったこと。
うずくまりたくなって動けず迷っていた私を連れ出してくれたこと。
もう何を頼んだかも覚えていないラーメン。
海の近くで今なら絶対できない焚き火をしたこと。
そしてそこで人生で初めてのキスをしたこと。

もうほとんどそれらの記憶は霞んでいるけれど、それでもやっぱりあの夜の小さな焚き火に照らされた輝かんばかりのシャンパンゴールドと愛しいと細められた綺麗な瞳を私は忘れていない。
しまったって顔をして怯えをはらんだ表情が、私がもう一度をせがんだだけで可愛らしいくらいに喜色を浮かべて安堵と照れ臭さを織り交ぜてほころんだこと。

今ならわかる

降谷は私が好きだったんだろう

私も、多分もうすでにあの頃降谷に惚れていたんだと思う



私の中に私のことを好きでいてくれた少年が生きている
絶望に打ちひしがれそうになるたびその少年が私を生かす









「今日はねぇ、一推しの喫茶店へご案内しちゃいますから」

「それは楽しみ、なんてとこ?」

信号が赤だったので、歩みを止めて彼女に尋ねる。

「ポアロって言うの、料理は美味しいし、雰囲気は最高だし、店員は超イケメン」

「最高三拍子じゃん楽しみ」

「うんうん、リサーチ済みだから期待しててね」

私の少し前を歩く彼女の髪からほんのり柔らかい香りが香る。
私はそれにまた少し気分を良くして一歩大きく歩き出した。
















[永江A]

この物語の主人公。
愛に飢えていた。
降谷零のおかげで空っぽのコップは満たされる。

[降谷零]

この後永江Aが来店する予定のポアロに勤務するトリプルフェイス。
好きになりたいなんて言われて結局告白出来なかった。全てが落ち着いた後に告白しようと思ったけど進学した高校に彼女はいなかった。

[永江静香]

永江Aの母親。
ようやく自覚の芽生えた駄目親。
初孫が出来た時は一番泣く。

[諸伏景光]

幼馴染が行方不明!?
あれが一番人生で驚いたことかなぁ
後に警察学校組に語られる。

後書き→←42



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Lailah(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです。テーマの作品2つにも納得が行きました。その後の話も見てみたかったですがこれはこれで良かったです。良き作品を見せてくれてありがとうございます。 (2021年7月5日 12時) (レス) id: 59f1e2127c (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - とても素敵な作品で、泣いてしまいました(笑)続きを作ってくださるのなら、楽しみにしています! (2021年5月6日 19時) (レス) id: 2fea210edb (このIDを非表示/違反報告)
澪華 - ↓ごめんなさい誤字です。正しくは「楽しく読ませていただきました。」です。 (2020年11月23日 5時) (レス) id: e31bd2e13b (このIDを非表示/違反報告)
澪華 - とても素敵な作品で、楽しく読ませてました。これから二人はどうなるのか、続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年11月23日 5時) (レス) id: e31bd2e13b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても素敵なお話でした。読むのが止まらずあっという間に読み終わってしまいました。 続きが読めるのを楽しみにしてます!! (2020年11月5日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪路 | 作成日時:2020年10月18日 0時

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