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「偶にさ、もうなんか全部どうでもいいなって思う日、ない？」
キヨは、唐突にそう言った。
「まぁ、あるっちゃある、けど…」
「俺はね、それの酷い版が高校生の時ある日突然来ちゃったんだ。
勉強は苦じゃなかったから割と学年のトップの方にいたし、部活でサッカーやってた時も、全国は行けなかったけど良いとこまでいって、気持ち良く引退して。
けど、俺の理想の俺に、俺が耐えられなくなったんだよ。言ってる意味分かんないかもしれないけど」
「まぁ、なんとなく分かるよ」
日々のちょっとずつの歪みが、いつの間にか重りになっていたんだろう、と。
分からないなりに、そう解釈した。
「それでね、自分の肩書き全部とっぱらって、全然別の人生歩みたいなぁって思ったら、堕ちるところまで堕ちたね」
キヨは笑っていたけれど、その顔は寂しそうで。
「だからね、Aさんに会えて良かったよ。
初めて俺がやりたいことをやって、俺の手で実績を積めたからね。自分の肩書きなんて利用せずに、周りの手も借りずに……Aさんには借りちゃったけど」
キヨは、私の手を緩く握った。
彼の顔は、晴れやかになっていた。
「まぁそこは良くて、なんで急に居なくなったかっていうと。
ちょっと体の調子が悪くなってきたもんだから、ここ来たら_____あ、父さんとは和解してないんだけど、ここの先生はこっそり俺の事診てくれてるから、それで。
とにかく薬貰おうと思ったら、そのまま入院することになっちゃってさ、だからいきなり居なくなっちゃったんだ、ごめんね。」
「要するに、別に命に関わる何かがあった訳じゃ、」
「ないよ」
「なぁんだ」
「なんだ、って酷いな」
そのやり取りは、いつもの私達で。
それが余りにも心地よくて、やっぱり私はキヨのことが好きなんだ________と自覚した。
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なみの - おわああああああ尊すぎる！！最高！天才！ (10月10日 20時) (
レス) @page47 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - ぴーなつここなつさん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。お楽しみいただけたようで何よりです。読んでいただきありがとうございました！ (2022年1月6日 18時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつここなつ - 読む事が止められないです…！ (2021年10月25日 15時) (レス) @page47 id: 5cb3497c96 (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - きゅうりさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます…！楽しんでいただけたようでなによりです！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - とっても面白かったです、、、文才ありすぎです、、、、 (2021年3月8日 23時) (レス) id: 6118eb0aad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美織 | 作成日時：2021年2月6日 21時
