【ky】黒猫、拾いました。【実況者】

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「…ち、がう、でしょ」


私がキヨの胸を軽く押しのけると、彼は私の予想に反してあっさりと私から離れた。


「そう…だね」





何が違うっていうんだろう。


キヨがペットだということ、キヨが彼氏だということ。


はたまた、キヨが私を好きなこと、私がキヨを好きなこと。



どれが違うのかも分からないが、それを確かめることも出来なかった。






気まずく、重い空気が部屋に漂う。



「ごめん。忘れて。Aさん危機管理能力低そうで、心配になっちゃった」



キヨは、何事も無かったかのように笑った。



だからって、キスは______と思ったけれど、口に出すのは止めた。





「なにそれ。キヨが心配するようなことじゃないよ」



だから、私も笑って。




「そうだ、トランプかUNOでもする？2人じゃちょっと盛り上がりに欠けるかもしれないけれど」




今までの関係に、引き戻した。



そのまま、深夜までカードゲームで盛り上がって、どちらともなく寝た。




真夜中にキヨが私の手を握ったような気がするのは気の所為、ということにして。









朝が来て、朝ご飯を食べて、旅館の周りをぶらぶら散歩して、電車に揺られて帰った。









次の日は、いつも通り仕事に出かけて、いつも通りキヨに「いってらっしゃい」と見送られた。




いつも通り、だった筈なのに。





仕事から帰って来ると、キヨは家に居なかった。



その翌日も、そのまた次の日も。




キヨは、帰って来なかった。

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