【ky】黒猫、拾いました。【実況者】

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「A、なんか調子良くない？

久しぶりにそんな顔色いいの見た気がする。」



昼休憩に声をかけてきた彼は同僚のフジ。


「そう…かな」


「なんかいいことでもあったの？」


「うーん、まぁそうかも」



極めて一般的な感覚の彼に、人間のオスのペットができましたー、なんて言えるはずもなく。


いいこと、の中身を微笑んではぐらかす。




「良かった。密かに心配してたんだよ。

…いろいろ、大変そうだったからさ」




私は、フジに婚約者と別れたことを相談していた。


別に感情的に泣いたりだとか、そんなことはしなかったけれど彼は沢山慰めてくれて、今でも感謝している。




本当に良い人だと思う。




「じゃあさ、今日久々に夜飯でもどう？

復帰祝い、的な？」



いいね、と言いかけて思いとどまる。


キヨ、私がいなくても平気かな。




「あ…ごめん、都合悪かった？急に誘っちゃったもんね」



私が考え込んでいるのを見て、申し訳なさそうな顔をするフジ。





…まぁ、夜ご飯代も一応渡しておいたし、平気でしょ。




「ううん、全然大丈夫！行こ行こ！」





フジはパァッと嬉しそうな顔をした。




「じゃ、今日はそれを楽しみに仕事頑張るよ」




彼はひらひらと手を振り、仕事に戻っていった。





「私も頑張ろ」



キヨのおかげで生活が明るくなっている、そんな気がした。

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