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「きよ、だ」
「俺だよ。なんかやなことでもあったの?」
キヨは、困惑しつつも私を受け止めて背中を摩ってくれた。
「帰ったら、キヨいないんだもの」
「あぁ、」
キヨは合点がいったように、片手は私の背中に置いたままでもう片方の手で腕に提げたビニール袋を私に見せた。
「トイレの電球切れてたからさ、買いに行ってきた。
ほら、俺身長高いから俺が替えた方がいいかと思って」
「…なんだ、そんなこと」
「そんなこと、って。気利かせたのにその言い草はないんじゃないかなぁ」
キヨは困ったように笑った。
なんだか、さっきまで泣いてた自分が恥ずかしくなってきた。
大の大人が、家に誰もいないだけで泣くなんて。
「…ごめん。ありがとう」
キヨの顔を見るのが気恥ずかしくて、キヨの胸に顔をうずめたままそう言った。
「Aさん、もしかして俺がいなくて寂しくてないてたの」
見てなくても彼の顔なんて想像がつく。
きっと、ニヤニヤしてるんだろう。癪だ。
「…そうだったら悪い?」
「いや、可愛いね、Aさんは」
「ばか」
少しだけ顔を上げて見た彼の顔は、優しい目をしていた。
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なみの - おわああああああ尊すぎる!!最高!天才! (10月10日 20時) (レス) @page47 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - ぴーなつここなつさん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。お楽しみいただけたようで何よりです。読んでいただきありがとうございました! (2022年1月6日 18時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつここなつ - 読む事が止められないです…! (2021年10月25日 15時) (レス) @page47 id: 5cb3497c96 (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - きゅうりさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます…!楽しんでいただけたようでなによりです! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - とっても面白かったです、、、文才ありすぎです、、、、 (2021年3月8日 23時) (レス) id: 6118eb0aad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美織 | 作成日時:2021年2月6日 21時