拾肆夜 ページ14
冬を越した。
春の訪れを感じ、枯れた葉が新しく芽吹き始めるのを、静かに見ていた。
アングイスさんの怒涛の指導により、館内での生活のために必要な仕事は、一通り教えてもらった。
人数分の食事の作り方、洗濯、掃除、その他諸々、何とか習得できた。
「初めまして、エーミールと申します」
『はじめ、まして』
アングイスさんに連れられやってきたのは、館の中にある、図書室。
館の主人達の仕事に関する大切な資料も置いてあるらしく、その管理をしているという、エーミールさん。
彼は、私の婚約者ではない。
しかし、この館の主人達とは長い付き合いだそうで、仕事も共にしているという。
「久しく人間の女性と話すので、あまり上手く喋れるかわかりませんが…よろしくお願いします」
『こ、こちらこそ…』
主人達と過ごす為の、家事などの習得は済んだ中で、私がまだ知らないこと。
彼らの本来住む世界のこと、彼ら自身のこと、これからのこと。
婚約者として、知って、受け止めて、適応する必要が私にはある。
その為、彼らのことを客観的に詳しいエーミールさんに、教えてもらうことになった。
「まず、彼らが本来生きている世界のことを、私達は【深界】と呼んでいます、そしてAさんの生きてきたこの世界を、【別界】と呼んでいます、婚約の儀式も、その後の生活も、全て【深界】で行われます」
『その、深界では、女性の方はいらっしゃらないんですか？』
「いえ、深界にも、男女種族の違いはありますし、全員が全員こちらの世界で婚約者を探すわけではありません、しかし、彼らは少し特別と言いますか…深界にも、それぞれの国が存在します、こちらの世界とは違い、戦争も存在します」
『せ、せんそ…』
「国というのは、大体、ある一家によって構成されます、あちらの世界では、老衰による死が存在しません、しかし、他者からの攻撃による死は存在しますので、戦争が行われている今、幹部である彼らには、もしもの為の後継者が必要なんです」
『…それでも、何故わざわざこちらの世界に？』
「他の種族の血が混ざることを避ける為です、こちらの世界では他者の血が混ざることはあまり問題視されませんが、深界では、他者の血が混在することで、彼らの能力が薄まって受け継がれてしまうことがあるんです、それが彼らと違い、純粋な後継者を必要としないのなら構わないのですが…何の能力も持たない、人が、彼らにとっては好都合なんです」
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そういろね(プロフ) - 桃さん» コメントありがとうございます。更新頻度遅くなったりまだまだスランプ気味だったりでご迷惑をお掛けしますが、励ましの言葉をいただけることで頑張れます！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月5日 21時) (
レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
桃 - いつ見てもすごくいいです。しかも、話の内容が自分好みなのですごく見ててすごく面白いです( *´艸｀)これからも、頑張って下さい。 (2020年3月1日 19時) (レス) id: 4db1c97773 (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - キングダムペンギンさん» コメントありがとうございます。応援の言葉が励みになります。テストが終われば更新頻度を上げれると思いますので、気長にお待ちください！ (2020年2月23日 16時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
キングダムペンギン(プロフ) - 今まで見てきた作品の中でダントツで大好きです…（ ｉ _ ｉ ）！続き楽しみにしてます！更新頑張って下さい(*'ω'*) (2020年2月23日 5時) (レス) id: a4d7a38948 (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - k-roさん» コメントありがとうございます。一妻多夫ネタめちゃくちゃ好きなんです。沢山の人に愛読していただいて本当に嬉しい限りです、頑張ります！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そういろね | 作成日時：2020年2月4日 23時
