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2日目 ページ2

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『…窓からの移動は危険ですよ、ハリス・シイナさん』


彼女が目の前にいる。
その声と顔が体が、全て私にだけ向いている。
その事にも驚いたが、彼女が私の本名を知っている事にも驚いた。
私の生まれはこことは違う国で、勉学の為にこちらの国へと移住してきたのだ。
なので、ここの戸籍での私の名前は(しずく)である。


「な、ぜ…その名を…」

『少し調べさせて貰いました、私以外に、この国一の軍人学校に女性の新入生がいると聞いていたので、今年でもう卒業でしたよね』

「は、はい…」

『貴女の秀才っぷりは噂で聞いています、入学試験から今までの全ての書き取りテストはほぼ満点、その上、高い身体能力とその頭脳を生かす戦術が素晴らしい、と』

「そ、そんな…私など…」

『そんな優等生さんが、窓から飛び降りるなんて、少し驚きましたよ、知人にもいます、そういう行動をとる人が』


彼女は私の前にしゃがみ込み、頰に触れた。
緊張で体が強張り、何が何だかわからなかったが、ほんの少し痛みが走り、彼女の手についた血を見てハッとした。


『でも、貴女は女性なんですから、無茶はいけませんよ、女の顔の傷は何の誇りにもなりませんからね』

「…」


彼女の手を煩わせてしまった挙句、汚してしまったショックで顔が青ざめるが、頰に残る触れられたという感触に顔を赤くさせた。
そんな私の様子を見てか、彼女は可笑しそうにクスクスと笑った。


『さあ、そろそろ本題に入りましょうか』

「え…?」


彼女は、私の手を取り、立たせてくれた。
そして、そのまま手を強く握られ、目を合わせ、こう告げられた。


『私の率いる戦闘部隊への入隊枠に、貴女を推薦しようと思っています』

「…す、いせん?」

『はい、私が隊長を務める部隊です、戦場へ足を運ぶ事になりますが、女性軍人同士、力を合わせて行きたいんです』

「…貴女の、部隊に」

『はい、お気に召しませんか?』


断る理由などない。
待ち侘びたこの瞬間。
まさかあちらから歩み寄ってくれるとは思ってもみなかったが、この握られた手を、振りほどくことなどできない。


「そんなまさか…!勿論、その推薦、受けさせていただきます!」


彼女が笑う。
夢が叶った瞬間だった。

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ぱずる(プロフ) - 感動してボロボロ泣きましたwなんと言えばいいのか分かりませんが、とても素敵なお話でした。面白かったです!! (2021年4月30日 1時) (レス) id: 6fda5d1ca9 (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - みみみさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません!書き終えてから少し走り気味だったかもと反省していた部分があったので、好きという言葉をいただけて本当に嬉しいです!他の作品もよろしければ見てやってください。 (2020年3月6日 0時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - わたあめさん» コメントありがとうございます。返事が遅くなってしまい申し訳ありません!走りが気になってしまった部分もあり少し心残りのある作品だったので、そう言っていただけると嬉しいです!他の作品もよろしければ見てやってください。 (2020年3月6日 0時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - やっと見つけました! 本当に好きです! (2020年2月16日 17時) (レス) id: a3e96579f7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 初コメ失礼します…?感想っていうか…この話本当に好きです。他のどんな話よりも。本当に。作者さんに尊敬の花束を。 わたあめ(語彙力溶けた) (2019年7月31日 11時) (レス) id: 058dc021e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そういろね | 作成日時:2019年4月9日 19時

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