Ｎｏ．６ ページ7
『(動けない)』
無理やり腕を動かそうとするとアラスターの手でガッチリ掴まれているため下手すると骨が折れる。どんだけ力入れてるんだよ手加減なしか。
横目でアラスターを見ると口元の笑みはさらに深まり、明らかに俺が動揺する様子を楽しんでいる。
しかしそれで諦める俺じゃない。両腕が塞がっていても両足が動けるなら無問題。そっちがそう来るなら俺も好きなようにさせてもらう。
目の前で俺を見下ろすアラスターを挑発するようにニヤリと口角を上げる。
「！」
目を見張るアラスターの一瞬の隙を逃がすまいと、奴の腰辺りに自身の足をクロスさせて腰を引き寄せる。
そのまま交差した両足を瞬時に回転させ、今度は俺がアラスターに覆いかぶさる体勢に変わる。
『形勢逆転だな』
「俺に触るな。今すぐその手を離せ」
『お前……俺にあんな事しておいて他人から触られるのは嫌なのか』
そろそろ限界か。このままアラスターの怒りがエスカレートしていくと、部屋どころかチャーリーのホテルを破壊しかねない。
「いいからさっさと退けクソガキ」
うーんやっぱり変だ。あまり他人との距離を縮めないアラスターが俺なんかにこうも積極的な行動をとるなんておかしい。
もしかして、ふと頭の中に浮かんだ考察はまさに素っ頓狂なものだった。すぐさまその考察を頭の中から払うように首を振るものの、肝心のアラスターは禍々しいオーラへと変貌していく。
『……』
一か八かの賭けだがアレをやってみるしかないか。心の中で呟いてから奴の顔にゆっくり近づくと、アラスターは石化したように固まった。
俺を見つめる奴の瞳は、怒りで真っ黒に染まった瞳から徐々に元の赤い瞳に戻っていき俺の様子に困惑の色を浮かべていた。
「ちょ、いきなりなんなんですか」
『アラスター』
そんなアラスターの瞳を見つめながら名前を呼んで、もう片方の手の甲でそっと頬に触れる。輪郭をなぞるように指を動かすと奴の耳のようなものがピクリと反応した。
するとアラスターは肩の力が抜けたのかもしくは抵抗する気がないのか、ビックリするほど大人しくなった。
『そう、いい子だ』
先ほど意外な反応を見せてくれた耳のようなものに口元を寄せて囁くように呟くと、それは一瞬ビクッとしてから力が抜けたようにペタリと垂れていた。
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ミノ(プロフ) - ねこではないですさん» コメントありがとうございます😭次にアラスターがどんなことをしでかすか楽しみにしてもらえると嬉しいです^^ (3月27日 22時) (
レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - ミカン酢さん» コメントありがとうございます！これからも主人公くんを温かい目で見守ってもらえると嬉しいです^^ (3月27日 22時) (レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - 寧王さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです😭更新できるよう頑張ります！ (3月27日 22時) (レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこではないです - よし、やるんだ。アラスター。 (3月23日 17時) (レス) @page6 id: 028c313a8c (このIDを非表示/違反報告)
ミカン酢(プロフ) - 主人公くん……ナイス((( (3月23日 10時) (レス) @page6 id: 2477d4d58e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2024年3月21日 14時
