Ｎｏ．３ ページ4
開いた口が塞がらなくて金魚のようにはくはくと唇を動かしていると、アラスターはじっと俺を見ていたままだ。
「起きたんですね」
『えっ、うん、いま起きました』
「なぜ敬語なんです？」
『いや、それよりなんでアラスターがいる？エッもしかしてここアラスターの部屋……』
「私の部屋に貴方を招き入れるわけないでしょう。チャーリーに余った部屋をお借りしたんです」
口元は相変わらず笑っているが目元は正直だ。実に不快ですと言いたげなのを全面的に押し出しているから器用なものだな。お前の表情筋どうなってんだ。
「チャーリーに酷く酔いつぶれていた貴方を任されたので仕方なく、それはもう非常に癪ですが私がこの部屋に運んであげました。彼女と私の慈悲の心に感謝して下さい」
『おい余計な一言混じってるぞ』
「おやここまでしてあげたというのに地獄のプリンスとなるものがお礼の言葉一つ言えないんですか？」
ああ言えばこう言う、アラスターの皮肉たっぷりの言葉に苛立ちを感じるが奴の言ってることもあながち間違いではない。
ベロベロに酔っ払っている奴のましてや嫌いな奴の世話を任されたのだろう。ここまで介抱されておいて文句を言うのは筋違いというものだ。ほんの少しだけ、ごく僅かな罪悪感も残っている。目の前のコイツには死んでも言えないが。
『……感謝する』
「おっと失礼、あまりにも殿下の声が小さいものでつい聞きそびれてしまった。もっと腹から声を出してもう一度仰ってください」
『お前ほんと悪魔みたいな性格だな！？……ッうおっ！？』
「”みたい”ではなく悪魔なんですよ」
突然アラスターの手元にあった飲み物をずいっと渡される。無言で傘渡すカ█タじゃないんだからせめて一言言えよ。
ジロリと睨むようにアラスターを見るものの、当の本人は澄ました態度でベッド近くにあったソファーに座っている。
アラスターから貰ったカップからコーヒーの香ばしい匂いがして鼻の奥を刺激する。
こういう気遣いはできるんだな、意外に思いながらそれを飲んでいるとアラスターは”OH DEER”とかかれた自身のカップを手元に置いて俺に視線を向けてくる。
「それにしても昨日は驚きましたよ。まさか貴方が私を口説いてくるなんて、ええ実に意外でした」
『ブッ』
アラスターの言葉に貰ったばかりの水をつい吹き出してしまった。
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ミノ(プロフ) - ねこではないですさん» コメントありがとうございます😭次にアラスターがどんなことをしでかすか楽しみにしてもらえると嬉しいです^^ (3月27日 22時) (
レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - ミカン酢さん» コメントありがとうございます！これからも主人公くんを温かい目で見守ってもらえると嬉しいです^^ (3月27日 22時) (レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - 寧王さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです😭更新できるよう頑張ります！ (3月27日 22時) (レス) id: 786b507bdd (このIDを非表示/違反報告)
ねこではないです - よし、やるんだ。アラスター。 (3月23日 17時) (レス) @page6 id: 028c313a8c (このIDを非表示/違反報告)
ミカン酢(プロフ) - 主人公くん……ナイス((( (3月23日 10時) (レス) @page6 id: 2477d4d58e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2024年3月21日 14時
